友達を助けに行くよ!
よろしくお願いします。
僕は相変わらず、毎日、朝日が登る前に起きて、持ってきたお師匠様の似顔絵と、たくさんの竜達におはようを言う。身支度をして、竜の世話をして、宿舎の掃除をして、食堂のご飯をみんなで食べる。日が昇って少し暖かくなってきたら、みんなとちょっと訓練をして、勉強をする。そして竜達の世話をして、お風呂に入って本を読んで眠る。
そんな毎日を繰り返していたけれど、王子は違ったみたい。
いつも忙しいと言っていたけど、さいきんは忙しすぎて会えない日が多くなった。
隣国との小競り合いがふえて、『もしかしたら出兵しなければいけなくなるかもしれない』といっていた。そうしたら、王子は『ういじん』にでなきゃいけないといっていた。
言葉は少しわかるようになってきたから、危ないことをするのはわかった。
いつでるのかは教えてもらえなかった。『軍事機密』らしい。
でも、竜騎士たちも慌ただしくしていたし、ムシュカも出陣するらしい。
僕は竜にも乗れないし、戦えもしないから、行けないよっていわれた。
だから、毎日同じことの繰り返し。
戦況が悪くなってきたという噂を聞いても、毎日同じことの繰り返し。
モヤモヤしながらすごしていたら、ある日、王子が敵兵に囚われたときいた。
それを聞いて、いても立ってもいられず、僕は僕の竜に『様子を見に行きたい』と泣きついたら、お願いを聞いてくれた。
竜の頭に乗って、空を飛ぶ。空を飛んだことはあったけど、ここまで長い距離を飛ぶことはなかったので、ちょっと緊張する。
やがて、人がたくさんいる、開けた平原にやってきた。地図で見せてもらったことがあるけど、多分隣国との国境の緩衝地帯。空高くから見る地形は地図とそっくりでわかりやすかった。ちょっと地図の間違いも見つけられる。
大地をよく見てみると、僕のいる国から出てくる兵隊と、隣国から出てくる兵隊と、そしてそれぞれのファルコンや竜騎士たちのたち率いる竜がいるみたいだった。
何となく、隣国の竜と僕の竜は似ていた。でも、やっぱり僕の竜の方が大きくて、格好良かった。
兵と兵はにらみ合いが続いているみたいで、少し隙間を開けたまま、あまり動きが見られなかった。
そこまで行くと、僕の竜が勝手に地面に降り立った。目の前にはびっくり顔のムシュカがいた。
「よくここまでこれたな」
「僕の竜にお願いしたら来てくれた。王子は?」
「敵兵に囚われている。いま交渉の策を練っているところだ。」
「場所は?」
「一時交渉に行った兵によると、敵兵の一番大きいテントにいる。」
僕は阿呆なので、いても立ってもいられず、飛び出してしまった。
あとから聞いたら、逆上した敵兵に王子を害されていた可能性もあったから、今後決してしてはならないと言われたけど、その時は何も考えていなかった。
敵兵の布陣にむかってただ走り出した僕の襟首を僕の竜はむんずと掴んで、また鼻先に乗せてくれた。
そして、今まで聞いたことのない声で、吼えた。
読んでいただきありがとうございます。




