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竜の子 〜竜と暮らす捨て子の僕が、友達の王子を助けて竜騎士になるお話〜  作者: 成若小意


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2/7

猿かな?人かな?

よろしくお願いします。

 僕と竜の二人暮しは毎日同じことの繰り返し。


 でもある日、山に人を見かけた。


 お師匠様以外の人を見るのは初めてだった。だから、最初は猿かと思った。でも、服を着ているし荷物も持っている。動きもちょっと違う気がする。人は二人いて、僕に気がついたようで、何かを言ってから、すぐに引き返してしまった。






 そんなことも忘れていた頃、山にたくさんの人が来た。


 家の前の、開けたところに何人も立ち並ぶ。入りきれない人たちはまだ山の木々の間にいるみたい。


 真ん中に立っている人は、お師匠様より偉そうにしている感じだった。

 周りにいる人たちは、全然喋らないで、怖い感じだった。動物を狩るときの武器よりおっかない武器をみんな持っていた。


「国王の勅命により」とか、「軍門に下るよう命ずる」だとか言っていたけど、ぼくには、難しすぎてなんて言っているのかわからなかった。


 きっと、口もぽかんと開いてしまっていただろう。お師匠様のお説教の時も、よく口を閉じなさいといわれていた。



 真ん中の大きな人は、まだ大きな声で喋り続けていた。なんだか怖いし、面倒くさい。


 だから僕は、逃げることにした。


 突然後ろを振り向いて走り出した僕にびっくりしたのか、その人たちは最初固まっていた。それから『にがすな!』だとか、『ぶれいもの!』だとかいっていたけど、その声も嫌だったから、全速力で逃げた。



 僕は家の中にいたので、大きな人では見つけられない小さな穴とかを通って、隠れながら逃げた。


 どこに行こうか、迷った。


 竜のところに行こうかとおもったけど、結構大きな体をして気は小さなやつだから、あんなに人間を引き連れて来たらびっくりしてしまうだろう。ネズミが出るだけで大騒ぎするやつだから。


 そう思って、裏の木々の間に逃げこもうとしたけど、竜の棲家で騒ぎ声がきこえた。


 お師匠様に、よく僕は阿呆だと言われていたが、なるほど阿呆かもしれない。あんなに大きなおうちだから、人間たちも気がつくのは当たり前だ。


 だから、僕は竜を助けてあげるために、木々から抜け出して、裏手から竜のお家に入る。


 竜はあまり動じず、人間たちを見下ろしていた。でも、わあわあ言っている人間たちのことは嫌みたいで、不機嫌そうに鼻から息を出している。


 竜の足元にすがり付き人間たちに向かって、

「やめて!」と叫ぶと、竜も呼応して吠える。


 その勢いに気圧されて、人間たちは後退る。



「本当に竜だったとは」

「はぐれ竜か」

「いや、使役されている」

「まさかあのこどもが?」

「きっと大人の主人がいるはずだ。」


 人間たちは色々相談しているようだった。


「竜使いを呼ばなければ。」

「今遠征で遠方にいる。すぐには呼べない。」

「しかし、このままにするわけには。」

「まあ、竜使いが到着するまで待つしかない。」



 たくさんの人間たちは一旦帰ったけど、やがて竜使いがやってきた。


 話し方は優しかったしわかりやすかったけど、なんと言い返しても、ここではもう暮らせないとしか言ってくれなかった。


 僕もお師匠様がいないここでずっと暮らす意味は特にないかなと思い始めて、言うことを聞いてあげることにした。竜使い達は優しく竜を扱ってくれたし。


 こうして竜と僕の二人は、物理的には丁寧だけど、実質山の上の生活から引きずり降ろされた。

読んでいただきありがとうございます。

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