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六年間の学生日記  作者: 夜桜
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登校初日

「さーて...行くか〜」

そう言って俺は今後の成長を予測して親が買ってくれた、長めの制服に着替えた。

上の寝室では弟がまだすーすー眠っていると思うと少し腹が立ってくるが、それはなんとか耐えて玄関に足を進めた。


「いってらっしゃい!こうすけ。」

「頑張るんだぞ、初めての中学校をな。」


父さんと母さんは玄関で靴を履いている俺に向かってそういった。

「うっす、まあ頑張ってくるよ。」


俺は、カバンを背負って外に出る。

そうこれから俺の----月夜光介つきやこうすけの新中学時代が始まる...





「おお〜、これが朝の地元か。」

すでに12年間住んだ場所とはいえ、こんな時間に外に出たことは、ほぼない。

どうしても新鮮な空気に浸ってしまう。まあ、あと2、3日すればなれるんだろうがな...


「なんて独り言を言ってても仕方ねえか〜、やべやべ電車遅れちまう。」

俺は少し速歩きで最寄り駅に向かう。


ちなみに俺がこれから通う学校は、『修塔制学校』っていうところだ。

ここは、世間でいう中高一貫校ってところで中学と高校がくっついている学校であるため高校入試がない。

だから俺はわざわざ中学受験っていうめんどうくさいことを行って入校した。まあ、もちろん高校入試がないってだけでここに入ったわけではないけどな....


学力は軒並み普通の学校だと思う。なんで詳しく知らないかは後で話すさ。

とりあえず、様々な人間がいるらしいからそれだけ頭に入れておいてくれ。



とりあえず、電車には間に合いなんとか座ることができた。

落ち着いて周りを見渡すと、やはり新鮮さがすごかった。

(おお、流石に朝の通勤時間。難しい顔したおっさんとかがいるな。ドラマでよく見たシーンじゃん!)

なんて心のなかで思いつつ今日から自分がここに混ざるのが少し嬉しかったりもした。



修塔制学校までの通学時間はだいたい一時間である。学校は駅から離れているため、中学生のうちはスクールバスが適応されるらしい。

そして高校生からは三十分の道のりを歩いて向かうらしい。まあ、まだ関係ないし、いっか。




(電車か、何しようか....とりあえず寝るか)

これは学生の常套手段じゃないのか...?よくはわからないがとりあえず寝ます。



〜三十分後〜

アナウンスが鳴り響く。

既に乗り換えは済ませて、学校の最寄駅『修都(しゅうと)』まではそのまま行ける電車に乗っていた。


「まもなく~、修都、修都~。」

そんなアナウンスの中俺は眺めていた外から視線を外し、カバンに手を掛けた。

寝てたんじゃんって?流石に起きてるわ!

登校初日から乗り過ごして、遅刻するほどの芸人じゃないからな俺は。




駅を出て、スクールバスが来るところに向かおうとすると、そこには既に自分と同じ制服を着た生徒たちが長蛇の列を作っていた。


「うひゃあー、多いな~」

俺はそこの最後尾に並んで、とりあえずボーッとしていたが、他に並んでいた人の中には塾とかの知り合いだろうか?既に一年と思わしき人物たちは話してる人がいる。



(あれ、俺もしかして遅れてる?まあ、まだ初日すら始まってないから大丈夫か)

言い様のない不安は考えないことにした。



スクールバスは思ったより狭く、隣に座っている先輩らしき人達が仲良くはしゃいでいる。

俺も早くそんな感じになりたい...





~修塔制学校~

(着いたな)


バスの運転手さんに礼を述べて、俺はバスを降りた。

思ったよりも学校のバス停は広かった。入試の時に来たとはいえ、あまり考えなかったからだけども。


そこから、俺は教室に向かった。


「確か、俺の教室は1年B組だったっけ?」

そう、この学校の1学年は100人ほどらしい。

それを、A、B、C、Dの4つに分ける。まあ、小学生の頃1学年50人だった俺にはこれでも多いけどな。







そうこう考えているうちに3階、1年の教室がある階層まで来た。

そうして、俺のクラスの前の廊下まで来た時少し驚いた。なぜかって?それはな.....もうみんな来て座ってやがる!

(ええー、みんな早すぎだろ。これだと俺が遅刻したみてぇじゃん!)


そうこうしていても仕方ないのでとりあえずドアに手を掛け開けた。

「おはようございまーす」


「おお!月夜君だよね?!おはよう!」

話しかけて来たのはおそらく俺たちの担任の先生だろう。とても大きな声だが年齢は40代後半ってところか。背は低い方で一見すると優しそうだが、こういう人が怒ると一番怖ぇんだよな~。







俺はとりあえず自分の席に行こうとして教室内を歩いていると全員からの視線の嵐。

(うわー、みんな見てくる。こーゆーことがありそうだったから最後は避けたかったのによ~)


まあ、しょうがないかと、遅刻ではないことを盾に俺は自分の席に座った。




俺の席は前から2番目で真ん中の列にいる。

前のやつは.....何か見たことあるな。


(あー!あいつだ。あの入学式の時に俺のとなりでずっとため息ついてたやつ。ほんとに何だったんだ?

あれのせいで入学式で友達作れなかったんだからな!)






















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