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プロローグ
初めての小説投稿になります。
楽しんでいただければ幸いです。
雪の降りしきる早朝。
もうすぐ18になる吟〈ぎん〉は、いつもの様に資料を読み漁っていた。
左手には古びた地図、右手には煩雑に書かれたノート。
外の風が騒々しく集中できないようで、頻繁に頭を抱えている。
再び大きな風が立ち、とうとう彼が放り出そうとしたとき、それは起こった。
突如として風が止み、空を見上げると雲は晴れていた。
家の扉を開けると、不思議なエネルギーが肌に触れる。
辺りを眺めると木々が若々しく揺れ、草の芽が雪の下から顔を出している。
そして、その異常な光景の中心に、ひとりの少女がいたのであった。