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死闘 上

【英雄の素質】


 ・成し遂げる者になれるもの。

 ・相手が格上のみ、意志が続く限り全ステータス向上。

 ・願望おもいの丈により効果向上。


 ◇ ◇ ◇


 【英雄の素質】を発動可能なりました。


 全ステータスが意志が続く限り向上します。


 全スキルのレベルが三つ上がります。


 願望おもいの丈により効果向上


 【英雄の素質】の派生スキル


 ・英雄の一撃


 ・英雄の意志


 ・第六感


 ・癒しの手


 頭の中に声が響いた。


『名前』 アルテラ


『種族』天翼族 


『職業』英雄 (仮)


『年齢』12


 HP:800/800 + S


 MP:2000/2000 + S


 ATK:500+ S


 DEF:400+ S  


 AGI:900+ S+


 MAG:1000+ S 


 INT:400+ S


 LUK: 10+ S


【エクストラスキル】


【心象魔法】  Lv5 → Lv8

【アース言語】LvMAX  


【ノーマルスキル】


 鑑定      LvMAX

 アイテムボックス(時間停止) LvMAX

 解体LvMAX

 偽装LvMAX

 建築Lv4 → Lv7

 調合Lv6 → Lv9

 索敵Lv7 → LvMAX → 超索敵Lv1

 警告Lv6 → Lv9

 隠密Lv6 → Lv9

 高速思考Lv7 → LvMAX → マルチタスクLv1

 テイムLv3  → Lv5

 鷹の目Lv8  → LvMAX → 千里眼Lv1

 威圧Lv1   → Lv4



 生活魔法LvMAX

 治癒魔法Lv7 → LvMAX → 聖魔法Lv1


 双剣術Lv6 → Lv9

 弓術Lv7  → LvMAX → 聖弓術Lv1


 魔法適性:治癒


 耐性:精神LVMAX

 耐性:空腹LV4 → Lv7

 耐性:疲労LV5 → Lv8

 耐性:痛覚LV6 → Lv9


【称号スキル】

【転生者】

【勇気ある一歩】

【英雄の素質】


 ◇ ◇ ◇


 前世の家族の顔。

 お父さん、お母さん、弟の顔が見たくなった。

 いつからだろう、この世界にきてから家族のことを思い出さなくなったのは。

 決して、家族が嫌いなわけではない。むしろいつも一人が好きな私に優しくしてくれた。


 高校入学当時、私の様子がおかしいこともいち早く気づいてくれた。

 私が死んだあとは悲しませたのだろうか。

 あの時の私は一人の時間が好きだった。


 だが、この世界を生きていくにつれ一人が恐くなっていった。誰も私を知らないこの世界に来てから何か心の奥から何かが抜け落ちた感覚に落ちって行った。


 そこから、コハクが私がついていくようになり、馬車に乗せてもらったベルジャミンさん、この世界について教えてもらったマーガレットさん、串焼きのケインさん、宿屋の女将とリースちゃん、面倒見がいいリンネさん、レイナと関わるにつれ心の隙間が埋まる感じがしたそれから私は気づいた。

 決して前世では気づくことのできないことだと、なんたって最初からもう貰っていたから。


 それは繋がりだと、人は孤独に耐えられない生き物だ、だが家族が私を孤独にさせなかったのだと。


 あのとき、手を振り払わなければどうなっていただろう?あのとき、自分から歩んだらどうなっていただろう?いまさら過去の事を言っても何も変わることはない。


 目の前から何もかも失った後でしか、気づけない愚かさに自分でその繋がりを断った愚かしさ。だが。いままさに繋がりがなくなり一人になり、どこかに行ってしまった人を見てしまった。私と同じ事を繰り返そうと。


 一人では繋がりは出来ない、だから私がなる。


「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


 意識を前に向ける。


「フゥゥ~」


 顔を振り上げて、口から火が溢れている炎帝猿。


 遥か視線の先にいる魔物は、自分という存在を誇示するかのように大剣を携え、威圧を放ってくる。


 その体躯は、そこら中に傷があるがそれはあくまでも表面的なもので迫力は衰えていない。



 恐さはない。相手に向けて一歩を踏み出す。


 私は相手の正面に飛び込んだ。いきなりの事で驚いたのか自分のスピードが速くて動けなくなったのか手に右手の干将を振り切る。筋肉の壁に深くえぐった。


 それから、剣撃の攻防戦だ何回も剣と剣が交差し、高い音を上げている。【心象魔法】で眩しい光を相手の顔に発生させ、攻撃をする。


 硬直から回復した炎帝猿が、大きな剣を振りかぶる。


 炎の軌跡を引きながら打ち下ろされてきたその剣を、私は右手の干将で弾き返すと、間髪入れずに左手の莫邪を腰から引き抜き柄を握った。抜きざまの一撃を炎帝猿の胴に見舞う。攻撃がクリーンヒットし、胴から血が噴き出していく。


「グォォォォォ!!」


 憤怒の叫びを漏らしながら、炎帝猿は下段から足に力を込めて攻撃を放ってきた。今度は翼を展開してすれすれで回避していく、炎帝猿の大勢が崩れたところに、私は防御を捨て攻戦に展開し、反撃を許さず一気に決着をつけるべくラッシュを開始した。


 右手の干将で中段を切り払う。間を空けずに左手の莫邪を突き入れる。【マルチタスク】をフルで使いながら脳が焼き切れんばかりの速度で私は双剣を振るい続ける。右、左、また右と。肉の壁を切り裂く効果音が立て続けにうなり、返り血が全身に浴びる。


 【英雄の素質】;の効果でスキルレベルが上がったおかげで双剣術Lv9になりできた技、派生スキル《20連続切り》。


「うおおおおあああッ!!」


 勢いが足りず、途中のいくつかの攻撃は筋肉に阻まれるのも構わず、私は荒く声を叫びながら左右の干将・莫邪を次々炎帝猿の体に叩き込み続けた。炎帝猿の口からこぼれる炎が視界を灼熱にし、熱さに耐えながら最早炎帝猿の姿以外何も見えない。


 反撃させる暇を与えず攻撃を放つ、徐々に世界が遅くなっているように感じる。全身の筋肉が悲鳴を上げているが、剣撃の手を緩めることはしない。


「とどめだぁぁぁああああああ!!」


 雄たけびを放った20撃目が、胴の中央を貫く。


「グゥゥオォォォォッッ!!」


(倒したの...?)


【第六感】が反応した。


 絶叫している炎帝猿が口と鼻から盛大に叫び、後ろに倒れる巨体を踏ん張り、剣を突き刺している私を睨み大剣を持っていない左手を私にくらわす。


「ガァァァアアアアアッ!!」


 攻撃をもろに直にくらい20m先の岩に吹き飛ばされた。


「グハァッ!!」


 口から吐血をし、骨がいくつか折れている。【英雄の素質】がなければ確実に死んでいただろう。


 すぐに【癒しの手】で回復させる。完全に回復した訳ではないが動くことは可能だ。


「はぁ、はぁ、はぁ、結構ダメージを与えたと思ったけど…動けるなんてS級魔物は伊達じゃあないね…」


 炎帝猿も身体中に傷つけた跡がくっきり残っているがさっきと比べられないぐらい迫力が増す一方だ。

 王の意地でも働いているのか。


 すると、炎帝猿の顔つきが変わり体の傷がみるみるうちに治ってきている。


(えっ?何が起きてるの)

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