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 図書館が閉まるまで読書だったが、マーガレットさんに聞いてたことがほとんどだったかが色々収穫は多かった。


 歴史について記されていた本から基本的なことを知り、ここが迷宮の近くというのもあり、冒険者や迷宮といったものに関する情報が多かったのでとても助かった。


 それから読書が終わり、外に出ると辺りはすっかり日が落ちていた。


「あっ、今夜寝るところどうしよう?」


 読書にふけてたせいで、忘れていた。なので急いで宿屋を探しに行く。だか見つからない。


どうしよう?


 すると、外套が引っ張られた。そこには10歳ぐらいの少女が裾を持っている。


「旅人さん、宿屋探してませんか?」


 よかったよ。ここに女神がいる。


 少女のリースに引っ張られて行きながら、ハイテンションで活気な子だなと思いながら宿屋に向う。


「お母さんっ!お母さんっ!お客さん連れてきたよ!」


 元気な声でリースちゃんはお母さんに向かっていく。


「こら!リースこんな夜に外に出るんじゃないっていつも言ってるでしょ!」


「ごめんなさい....」


 お母さんに怒られ、落ち込んでいる。


まぁ、こんな時間に外に出たら誰だって心配はするよね。


 しょぼくれている顔も愛らしい。


「あの、泊まれますか?」


「ごめんなさいね、大丈夫よ。荷物が少ないようだけどお金持ってるかい?」


 荷物類は【アイテムボックス】にしまっているから必然的に荷物は少なくなるんだよね。財布とかは懐にしまっているけど。


「大丈夫です」


 酒場のカウンターらしき場所に子持ちのお母さんには見えないぐらいの美人だ。20歳後半ぐらいかな?

 リースちゃんがかわいいのも納得だね。


「そうかい。うちは1日素泊まりで3000マリスで食事つきになると朝と晩付きで4000マリスだよ。すぐにご飯は用意できるよ。」


 うん。相場はわからいけど、いま断ったら寝るところがなくなるね。野宿をするのは絶対に嫌だ。ただでさえ、今までは特大のフカフカベットで寝れなかったのに、これ以上ストレスを溜めたくないよ!


「じゃあ、食事付きで一か月分でお願いします。」


「おや、見かけによらず金持ちだね、なら、12万マリスだね」


 財布からお金を取り出して女将に渡した。


 よかったよ。


「女将さん、もう食事できますか?」


「白パンと具沢山のシチューとオークのステーキだったらすぐ出せるよ。」


 ぐっ!ここでもオーク肉がきたよ。おいしいのは分かるけど森の中であった姿を想像するとね、ほらアレだもん。


「そ、それでお願いします……」


 諦め食べることにした。


「あいよ、すぐ用意するからリースに部屋を案内させて荷物を置いてきな。あと、宿帳書に名前を書きな」


 女将が厨房に入っていくにと入れ替わりに紐で束ねた帳面を持ってくるリースちゃんがぱたぱたとやってくる。


 可愛いな、前世は妹が欲しかったんだよね。弟なんて趣味の話の時ぐらいしか話さなかったし。もし、積極的に話しかけてくれていたら、私の性格も変わってたかもしれないね。


 と自分の性格を弟のせいと思いながらリースに部屋の案内をされていく。


「は~い、旅人さんお名前何ですか?」


「アルテラです」


「アルテラさんですね。お部屋を案内します」


 慣れていないのか、緊張気味にしていた。


 ここです。と言われ、

 二階の一番端に案内されカギをリースちゃんから渡され部屋に入っていた。


 外套を脱ぎ着替えようとしたとき、


「あっ、またコハクのこと忘れてた。こいつぐっすり眠ってやがる私がどれだけ苦労したと思ってるの。女将さんに言わないとね」


 コハクを起こし着替えはじめた、コハクは起こされ機嫌が悪かったが。


 改めてこの2年間で私成長したな身体も心も。身長は160cmぐらいになって、胸はあれからすこし大きくなったね!


 着替えてコハクを手で持ち一階に下りていく。


 食事を机に運んでいた、女将さんとリースちゃんがこちらを見て目を見開き固まっていた。


「あんた誰だい?さっきの子かい?」


 あー、フードをしてたから顔が見れなっかたのか。


「そうです。」


「あら、別嬪さんだね。フードしていて気付かなかったよ」


「アルテラさん、かわいい!!」


 リースちゃんは私に近づいて興奮気味にしている。


「アルでいいよ!リースちゃん!」


「わかった、アルちゃん!とこでアルちゃん手に持っているのなに?」


「コハクだよ。コハク挨拶」


「コン!コン!」


 ってなわけで、食堂で晩御飯を食べた。ここで食事をしている人達はとても親切だったよ。コハクの追加料金は平気だった、ありがたいね。白パンは柔らかく具沢山のシチューはさっぱりしていていい。オークの肉はコハクとおいしく頂きました。ここに案内してくれたリースちゃんに感謝だね。


 その後、リースちゃんとお風呂に入り、約4日ぶりのお風呂にゆっくりと浸かって疲れをとる。いい湯だね。それからリースちゃんが私と同じ年と聞いて、驚いた。


 小さな声で同じ年なのに私には胸が……。と最後まで聞けなかったけど楽しかった。


 風呂を上がったら髪を乾かして部屋に行く。リースちゃんは一緒に寝たいと言っていたが女将に叱らで、しびしび帰っていった。


 今日、女将さんに聞いた。

 身分証を作るために一番早いのは冒険者らしいので行くことにする。


 でも、10万マリスを払えば身分証を作れるとも言っていた。審査はもちろんあるけど。


 何はともあれ、無事についてよかった。【偽装】君に感謝だね。隠していれば背中に触られていても普通の肌の感触になるなんって、初めて知ったよ!


 久しぶりのベッドでコハクを抱き枕にしながら眠りに落ちた。

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