図書館
しょぼくれたコハクはお肉でご機嫌を取りながら、私は軽い足で迷宮から離れていく。
初めて街にきたけど、道に迷うことはなかった。
道が隅々までに整っていて。人間たちの様々な服装からは考えられないほど綺麗で、計算し尽くされている。道の端には私が見たこともない鉱石が綺麗に線引きされており、とても幻想的。
鉱石は道の端に余すことなく使われているよ。鉱石はこの世界では貴重なものじゃあないんかな?
宝石みたいに綺麗なのに。
さっきは迷宮に目が行っちゃたけど、立ち並んでいる家屋がたくさんある。木やレンガで造られている多種多様な建物たち。街の景観はアニメや漫画でみた街並みのような感じがするよ。文化のレベルは西洋に偏り、時代は中世ぐらいのように感じる。
街を歩く人たちには活気があり、そして、人々は多種多様だった。私みたいに外套のようにフードを被っている人もいれば、鋼鉄の重装備やビキニアーマーを恥ずかしもなく歩いている人もいる。様々な肌の色の人が溢れ、髪色も様々だね、たまに獣のような姿をしている人おり、鋭い牙を剥きだしている者や横に長い耳を持っている者、ふわふわの尻尾や耳や美しい羽を持っている者、街は幻想的だね。アニメとか漫画はあまり好みじゃなっかたけど、ザ・ファンタジーの世界にいると興奮するね。
でも、こんなにも人が多いのに、私のことを知っている人はいないんだよね。こんなにも空は広いのに、襲い掛かっかてくる孤独感。いまにも押しつぶされそう。幼稚園の頃デパートで迷子になったときのような、この世の終わりのような絶望。
ここは日本じゃないんだ。考えなくしてたけどあっちのお父さん、お母さん、弟とは会えないんだ....。
今に見えている光景は、私に無慈悲な事実を突きつけてくる。
(恐い....)
すると、コハクは私の心情に気づいたのか。頬を舐めてくる。
「くすぐったいって、コハク、慰めてくれてありがとね。」
うん。そうだ。今は一人じゃないコハクがいるじゃん。私の仲間にして大切な友達。
「めそめそしても、意味がないよ。」
コハクのおかげで冷静に本来の目的を思い出す。
「看板はどこにあるかな?」
頬を叩いて気合を入れ直し、整備された道の中を歩いていく。
しばらく歩いていると中央広場に着いた。そこには噴水や木の長椅子といったものが置いてある。
中央には看板があった。
お!! あったよ。
看板には巨大な地図がいくつか記載されており、この国家の歴史も書かれている。
国家図書館の道を看板の情報を読む限り、案外近くにあるね。
国家図書館は国が管理しており、シンボルのように目立っていた。迷うことはなかった。
私は外套で深くフードを被りながら、建物の中に入る。係員がいて1000マリスを払い向かった。
1000マリスって高いよね。私的にはだよ!
木造の広い洋館だ。とても静かで、階段は螺旋状になっておりすごい。
係員に今私に必要な本を尋ねた。
「あの、この国の歴史や迷宮のことが載った本ってどこですか?」
「はい、こちらと、あちらの書物です。」
係員は嫌な顔をせず、本を持ってきてくれた。
お礼をして、本を広げた。【アース言語】のおかげで不自由なく読めた。文字は英語語にも日本語にも似ていない奇妙な文字。
いま私がしないといけないことは、この世界を知ることだ。そのため書物を読み進めるしかない。
この世界を、国を、文化を、迷宮を知っていれば何かあれば対処できることがあるかもしれない。
備えあれば患いなしってね。
時間が許すかぎり読みふけた。
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