過去
世界が赤く黒く染まる。黄昏時。
「なん、で....」
手には世界でたったひとりの肉親が腹から血を流している。
「兄さん、兄さん返事してよ....」
反応はない。身体はすでに冷たくなりもう一生動かないだろう。
狼煙のような空に貫く黒い煙に、空は黒く染まり。
炎が燃え上がっている。
動物が焼ける臭い。
そこら中に絶望が蔓延している。
「どうして、こうな...」
言葉を途中で止める。肌に伝わってくる悪寒。
悪寒のする方に歩き出す。そこには、化け物のなにかがいた。
影のような黒い液体を人型にして、知性をもっているような。
蠢く黒い液体の身体。凹凸のない能面のような顔。人ではない。
「おっと、まだ生き残りが居たなんて。殺しそびれちゃったかな」
顔の表情はないが、薄気味悪い顔を浮かべていることがわっかた。
「こ、ころしたの...?」
「ん?あーー、君以外全員殺したよ。」
さも当たり前のようにいった。
「殺してやる、絶対殺してやる。」
「君が僕を殺す?君面白いね、じゃあ、迷宮にきなよそこに僕はいるから。」
と言い残し、暗闇に消えていった。
あたりは火が燃える音しか聞こえなくなり
「兄さん、仇はとるよ。」
...たとえ、どんな犠牲を払っても。
◇ ◇ ◇
馬車に揺られながら景色を楽しんでた。なんと楽な旅路でしょう。あの4日の間がうそのようです。
さて乗せてもらうことになったこの馬車、大きい幌馬車です。馬は二頭引き。荷台の中には迷宮国家アーガスで売るための荷物が積んであります。
暇なのでマーガレットさんにこの世界の話を聞きながら目的地に進んでいく。
色々とここまで来るのに苦労したけどなんとかなるもんだね。とうとうアーガスに到着しました。
日が落ちる前に着いてよかった。迷宮国家アーガスは巨大な城壁に囲まれてより、出入口出来るところが東南西北に4つある。滅茶苦茶広いよ。
早く街の中に入りたいな中はどんなふうになっているのかな。まあー、そう簡単に入れるわけではなっかた。
迷宮国家で共通で立ち入りには色々と決まりがある。
まず、市民ガードが必要。なかったら1万マリスで仮通行証を発行して中で身分証を1週間以内に作らないといけないらしい。できなく、国家の衛兵に見つかったら奴隷落ちになる。
うん。恐いね、絶対忘れちゃいけないね!
仮通行証をつくるには、水晶の上に手を置き犯罪履歴や種族、年齢をが調べることが出来問題なかったら大丈夫のこと。
それをベルジャミンさんに聞いたとき焦ったよ。【偽装】で一応種族と翼を隠してるけどばれないかひやひやしたよ。
結果、門番にフードをとれって言われたけどベルジャミンさんのおかげでとらずに済んだ。心臓をばくばくさせながらおそるおそる水晶に手をかざした。
なんとか偽装できてたようでよかったよ。【偽装】君これまで役立たずと思ってってごめんよー!私たちは親友だ!コハクも一応私の使い魔として登録する必要があるらしい。
問題なく中に入り、ベルジャミンさんにお礼をし別れた。
「あっ、身分証をどこで登録するか聞きそびれた。」
と後悔したあと、私はどこになにがあるかわからないず真っ直ぐ歩くことにした。
ある程度歩くと、迷宮の全容が見えてくる。進む足を速め迷宮に向かった。
そこには巨大で奇怪な遺跡だった。
その周りはきれいに整備されており、屋台がある。大勢に人たちが手に武器や荷物をもち迷宮に出入りし賑わっていた。
「坊主、うちの串焼き食っていかねぇーか!」
場の雰囲気に圧倒されている中、背後から声をかけられた。
「は、はい」
「串焼き食っていかないか!」
言われるがまま200マリスを渡し串焼きを食べた。
「おいしい!」
肉の圧倒的な弾力に、ジューシかつやわらかく味は濃いが旅で疲れている身体にはありがたい。
「そりゃあー、当たり前だ!なんたってこの俺が作ったんだからな。おいしくないわけがない!」
笑いながら、自信満々に言ってくる30後半ぐらいの筋肉だるま。
転生して、初めて食べた肉はおいしかった。生きててよかったよ。目に涙がたまった。
「あの、おじさんこれって何の肉ですか?」
「おじさんじゃなくて、ケインだ。」
「はい、おじさん、この肉は?」
「お、おまっ、まぁいい、それはだなオークの肉に決まってるだろ」
ぶっ!!!
「おい、坊主大丈夫か?」
おもわずむせてしっまった。この男なんてもん食わせるの。呪ってやる。
「なんってもん食わせるの!!あと坊主じゃあなくて私は、女性でアルテラって名前がある!!」
豚肉の味でおいしいけど、自分が知っているあの二足歩行の豚だとなんかいやだ。
「オーク肉なんて普通だろ、嬢ちゃんだったかわるいな。」
普通なんだ。この世界の人大丈夫かな?!でもおいしかったから許しますよ。
きお取り直し
「ゴホン、この国初めて来たのでこの国のことをよく知れる場所ってありませんか?」
「そうだな。ならまずここから真っ直ぐ進んで中央広場に行くといいぞ。看板地図がある。そこから、国家図書館に行けば大抵のことはわかる。お金はかかるが。なれたらギルドや教会にでも行けばいい。」
「そうですか、ありがとうございます。」
その場を離れようとすると、外套の中に隠れたコハクが私の頭に乗りしょぼくれていた。
「コ、コハク、お肉食べったかった?」
おそるおそる聞いてみた。
「こん...」
「ケインさん、串焼き1本ください。」
「おう! 毎度!!」
何はともあれ、この国について調べないとね。
end
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