追放?
結局投稿してしまいました。
別作の投稿頻度が心配ですが、頑張ります。
それは、クエストが終わり、多額の報酬を貰ったSランクパーティ【鬼月】の反省会の時だった。
「お前って本当に使えないよな。全く戦闘が出来ねぇし。」
当然だろう。俺は治癒術士、俗に言うヒーラーだ。
元々戦闘用の職業では無い後衛職だ、戦う力などほとんどあるわけが無い。
ついにこの時が来たのか、と俺は思った。
【鬼月】はかなり攻撃的なパーティだ。
話を切り出した、リーダーのヴィフトは職業:狂戦士という、自身の理性による制御を薄くすることで、人間にかけられたリミッター以上の力を発揮する、特攻職だ。
そして、その右で無関心そうに自分の杖をいじっている杖剣士のミエラは、所謂魔剣士と呼ばれる系統の、さらに近接に特化した職業で、その身軽さと手数に魔法を加え、相手を圧倒する。
これまた特攻職だ。
リーダーの左、ミエラの向かいで、おろおろと俺たち二人を交互に見ている、超級盗賊のソフィは、盗賊の上級職で索敵、探知をしつつ、死角から急所を狙い撃ち、一撃で相手を屠る、特攻職では無いものの、両方こなせる万能型戦闘職だ。
そしてこの俺、シズクは上級治癒士だ。僧侶と違って、治癒に特化した職業で、手数で押し切るこのパーティでは、後ろの方で時たま傷ついた仲間を遠くから治癒することしか出来ていなかった。
だから少しでも役に立とうと料理も頑張ったし、事前情報も集めて対策を立てたりしていた。
「だからお前は追放だーー」
でもその努力は、仲間には認められなかったようだ。
しかし、ここで頓挫したりはしない。
一度だけ、幼い頃に聞いたことがあるのだ。
それは当時、異世界の勇者が言った言葉だったそうで、『自分が裏方で頑張っているのに、優秀なパーティから追放されるのは俺TUEEEEのテンプレだ』と言うことだそうだ。
当時の俺には全く分からなかったが、今なら分かる。
これは今の俺の状況だと思う。
どうやってかは知らないが、これから俺は追放された後、なんかとても有用な力でも発覚して、最強になるのだろう。
そう考えるとワクワクしてきたな。
よし!じゃあ追放されたらまずはこの都市から離れよう。そしてどこか遠くでまたギルドに加入しよう。そしたらーー
「ーーと、言いたいところだが、これから先、俺たちはさらに傷を負うだろう。だから治癒術士は必要だ。なので、これから俺たちはお前を前衛として恥ずかしくないように鍛えようと思う!」
…………は?
これは俺が追放される流れじゃなかったのか?俺の覚醒は?無双は?
「きた……える?」
「あぁ!だからしばらくパーティ活動は休止だ。これからしばらくは、シズクの強化期間とする!」
笑顔でヴィフトが言う。
確かにヴィフト達は優秀な前衛職だ。少し鍛えれば素質があれば俺でも前衛は立てるだろう。
あくまでも素質があれば、だが。
少し前、俺たちがAランクパーティだった頃、
「俺もあんたみたいになりてえ。だから稽古をつけてくれ。」
と、ヴィフトに頼み込んでいた少年がいた。
彼は戦士の職業だったので、俺よりも素質が断然あったし、ヴィフトもAランクだった。
その時はヴィフト抜きでBやCのクエストを受けて待っていた。
しかし、クエストを終えて帰ってきた時ーー初日だった。その戦士の少年はガタガタと震えながら、「あの人は人間じゃない……」と言っていた。
センスも体力も俺よりあった戦士が、だ。
これがどういうことか分かるか?
◇◇◇
「ゼェ……ゼェ……がはっ、ゴホゴホ。」
こういうことだ。
今俺は無様に這いつくばって咳き込んでいる。
時折治癒をしながらやっていたのにだ。
「ほら、早く治癒しろよ。まだ終わってねぇぞ。」
鬼だ。
しかし俺もしないと辛いので、治癒をする。
体の傷がみるみる癒えて、身体は軽くなる。
しかし、先程ちぎれた筋繊維の無理矢理な再生により、体には痛みが走る。
「ぐっ……あぁ……」
痛みに呻きながらも、俺は起き上がる。
「よし、特訓再開だ。」
……もう辞めたいんですが……
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どちらもモチベーションの向上につながりますのでぜひぜひ。
週一、二投稿になると思います。
頻度低いけど許してください。
別作の、
「この物語は主観的に見て主人公は俺じゃない」
の方も覗いていただけると幸いです。




