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第八話 俺は飲み会で無双した
第八話 俺は飲み会で無双した
自己紹介が遅れたな。俺の名前は逹ノ宮 一樹だ。こんな名前だから飲み会では飲む機会が多くて困る。酒はそんなに飲めないのにだ。名前を考えた奴を恨むぜ。
「もう一杯!もう一杯!はい!はい!はい!はい!もう一杯! 一樹さんの、ちょっといいとこ見てみたい! 一気!一気!一気!」
今日は会社の飲み会だ。みんな楽しく飲んでいる。俺はお酒が弱かったから、今まではトイレとお友達になることが多かった。手を口の中に突っ込めば、簡単に胃の中をリセットできるんだ。
だが、今日の俺は一味違うぜ?
「一樹さんすごいっすね!もう一杯どうですか?」
「サンキュー。今日はたくさん飲むぞ!」
今の俺は毒耐性があるし、消化器官も強化されているはずだ。アルコールを飲んで酔うわけがない。
「乾杯!おい先輩の酒が飲めないのか?」
「いえ、そんなことないです」
あの先輩は酔うと質が悪いからな、後輩を助けてやるか。
「飲めないんなら、代わりに飲んでやろうか?」
「マジっすか!一樹先輩あざす!」
その日、いくら酒を飲んでも俺が酔うことはなかった。