第六話 スキルの発現
第六話 スキルの発現
「またあの夢だったなー」
アラームを止めて会社へ行く支度をする。俺は髪をセットするときにドライヤーを使うんだが、寝ぼけていたこともあり、ドライヤーの持つ部分を思いっきり握りしめてしまった。
グシャ
ドライヤーを握り潰してしまった。
「嘘だろ」
どうやら現実の身体も強化されていたらしい。
◇◇◇◇
その日から俺は夢の中での身体強化に励んだ。
ダナルツチガエルを効率よく狩るために仕掛けを使うのを辞めた。仕掛けを使うと待ち時間が多いので一日に五匹くらいしか倒せない。しかし、タイマンで倒せるようになると一日に30匹も倒せるようになった。肉も売れるので金になる。
「グゲッ」
また一匹倒した。カエルに気づかれないように近づいて、背中を見せたときに距離を詰める。あとは剣で一太刀に切り裂くだけだ。
初心者の冒険者ならこう簡単にはいかないが、今の身体強化されたケイトならカエルは敵ではない。
「今日はこのぐらいでやめておこう」
カエル肉を買い取ってもらい、その金で安い魔結晶を買ってから宿に戻るのが最近のルーティンだ。
宿に帰って魔結晶を食べてから、汚れた身体を濡れタオルで拭く。
いつもなら早く乾いてほしいと思うんだが、不思議と濡れた身体が気持ちいい。
身体が濡れていると、息をしなくても苦しくない。
「どういうことだ?もしかして身体強化だけでなく、能力も取り込むことができるのか?」
宿に荷物を置いてからギルドに来た。情報収集だ。
「こんにちは。ちょっと聞きたいことがあるんですが、いいですか?」
「はい!何でしょうか?」
俺はギルドにいる受付嬢にいくつか質問をした結果、以下のことがわかった。
・魔結晶を食べると基本的な身体能力が向上する
・魔結晶を食べてから魔物の能力が発現することがある
・この世界には魔法がある。魔法が使える魔物の魔結晶を食べることで使えるようになる
・グミみたいな魔結晶は食用。固い魔結晶は道具を作るのに使う
「なるほど!ありがとうございました」
(固い魔結晶も食べられるんだけどなー)
ダナルツチガエルの魔結晶を食べ続けた結果、能力が発現したようだ。
【ケイト】
スキル
皮膚呼吸 new