第四話 リアルな夢の続き
第四話 リアルな夢の続き
コン コン コン
「おい。いつまで寝てんだ。早く起きろ。飯食うぞ」
アラームの代わりにムキムキゴリラの声が聞こえた。
「わかった。すぐ行く」
(またこの夢か。やけにリアルなんだよな)
「昨日のお前の動き、ヤバかったな。素人かよ」
「もー。そんなこと言わない!能力が落ちてるんだから仕方ないでしょ!」
「それにしてもアレはないだろ。それでなんだが、ケイトが以前の状態に戻るまで休暇ってことにしねーか?」
「いいわね!私も休みたいなーって思ってたから丁度いいわ」
「足を引っ張ってすまない」
「気にするんじゃねえ。この前の魔物と遺跡物はいい金になったからなあ!時期的にはちょっとばかし早いが、しばらく休みだ。ケイトはカエルとでも遊んどけ」
「あの沼のカエルのこと?初心者が最初に行くところじゃない。いくら能力が落ちているからって簡単過ぎよ。ヨミの原生林あたりがいいんじゃない?」
「冗談だケイト。俺たちはしばらく休暇だからよぉ。好きにするといいぜ」
「じゃあね!ケイト」
この世界の冒険者は基本的にあまり働かない。魔物を討伐して金が貯まったらバカンスでもして、金がなくなったら魔物を討伐する。
ある程度強くなったら、こんな生活スタイルが普通だ。それは俺たちのパーティーにも当てはる。俺たちはある程度強いパーティーのようだ。
(でも俺はカエルを狩るぞ!)