ゲート魔法、転移魔法の問題に関する考察
ファンタジー世界に多く存在するゲート魔法、瞬間移動。実は大きな落とし穴が!?
何も考えずに気軽に使うと大変なことになりますよ。
もし、あなたが異世界転移したら、せめてその星の自転速度や公転速度、(できれば銀河系中心に対する公転速度や固有運動)、転移前後の地点の標高、気圧くらいは観測してから使った方がいいです^~^
ファンタジー作品によく出てくる瞬間移動や遠隔地をつなぐゲートの問題について、ふと考えてみました。
もはや手あかがつくほど議論されつくしているかもしれませんが。
まず、出現地点の移動の問題ですね。
大宇宙の真ん中に出ても仕方ありませんから(スペースオペラSFなら宇宙に出る需要はある?)、惑星上のある地点、行ったことのある場所等に対して移動をすると思うんです。
ですが、たとえば建物を不動産といったり、動かざること山の如しというように、地面は動かない(厳密にはプレートテクニクスと言う理論で非常に遅い速度で海溝に向かって移動しているはずです)というのが地上の常識ですが、地面も惑星ですら高速で動いているんです。今この瞬間も、これを読んでいるあなたの家も。
というのは、自転速度の問題(高緯度ではそれほどでもないですが、赤道付近では秒速466m)。地球が太陽のまわりを公転する速度の問題(秒速30キロくらい。)、太陽系が銀河の周りを公転する速度(秒速240キロ)の問題。また、宇宙は膨張しているから中心がどことか、どこを基準とも言えませんが何らかの運動があるはずでございます。
つまり地表のある一点は、動かないように見えますが、実はこれらの合わさった、螺旋を描くように複雑な軌道で高速で移動しているんです。
というわけで、過去に行ったことのある場所に転移したりゲートを開いたらとんでもない宇宙の真ん中だった事件は発生しそうです^~^
もちろん宇宙の中に存在する天体は非常に少なく、宇宙に比べたらとても小さい(体育館の真ん中にバスケットボールを置いて、周りにビー玉が9つ(冥王星はなくなったので8つ)置いたくらい)ですから、とんでもなく低い確率ですが、非常に運が悪いと恒星の中とか、BHみたいなコンパクト天体にとらえられたりするかもしれませんね^^
*いしのなかにいる*
これらのことを考慮して移動先を計算する必要がございます(これも非常に高い計算精度でないと、地面の中とか、上空に出現するかもしれません)。
目標地点の移動を考慮して、なんとか惑星上の元と同じ場所に出現したとします。
この場合も移動の問題ですが、瞬間移動ならともかく、ゲートを維持するには、秒速240キロかなんかわからないですが、前述した速度で追尾しないと、ゲートが出現したとたんに、ものすごい早さで宇宙のかなたに消えていってしまいますね^~^
出現した途端に飛び去っていくゲート、なかなかシュールな絵柄です♪
ものすごい計算で位置を更新し続けて出現地点を調整するか、対地速度を維持するように、なんらかのアンカーを(魔法的に、空間的に?)撃ちこまないといけないですね。
ところで、瞬間移動でもゲートでもワープでも、くぐった瞬間に持っていた速度はどうなるでしょう。
公転については(銀河の公転はもちろん、太陽の周りの公転も惑星の夜側と昼側の差は7ケタくらい小さいので)ほとんど無視できるレベルで問題なさそうですが。
自転については、地球(惑星)の裏側ではほぼ逆方向ですから、出現前の速度が維持されたら、たとえば赤道の裏側に出現したら、マッハ2くらいでふっとんでしまいますし、緯度の付いた場所ですと、斜め上空もしくは地面に向かって激突してしまいますね^~^
ゲートを基準に相対速度を相殺するようにしなければなりません。
あと、ゲートの場合は、温度的な問題もありますが気圧差ですね。エベレストの山頂(気圧が低い。0.3気圧)と海面とつないだら、ものすごい勢い(亜音速)で空気がどんどん山頂側に流出してしまいます。とても人間がくぐれるような速度ではないですね。
ゲートに限らず、瞬間移動で身一つで転移する場合でも、普通は時間をかけて順応させて山頂まで登山しますが、一瞬にして高地に転移したら高山病になりますよね。耳ツンどころじゃないですね^~^
1気圧から0.3気圧にいきなり出たら、気圧差は0.7気圧!
一平方センチあたり0.7Kg位の力で内側から膨らみますから、下手すれば陸に上げられた深海魚みたいに、内臓が破裂したり、急減圧で血液中の窒素が気泡になって血管を閉塞するかもしれませんのん^~^
そういう意味では、気圧差のある場所とつなぐ場合はエアロックみたいな前室を(場合によっては段階的に複数)つくって、順応してから移動したほうがいいかもしれませんね^~^
ところで、気圧差で一定方向に同じような風が吹くのならば、ダクトの中にゲートを開いて風力発電を安定して行うことができますね。フリーエネルギーです。
ただ、このエネルギーがどこからくるか。ゲートを維持するために必要な魔力が得られるエネルギーより大きければ意味がないですし、通過する物質(空気とて、酸素や窒素の分子からできています)に比例して魔力を消費するのであれば意味がないです。
また、片方向に吹き出すと、地球全体の質量から見れば非常に弱い力ですが継続して同じ方向にかかりますと、自転にブレーキがかかってしまいます。ただでさえ潮汐力で自転が遅くなっているのに。
一円玉を持ち上げる程度のイオンエンジンでも長時間噴射すると小惑星まで行けるように、あるいは地球全体の質量に比べれば弱いジェットパイプでも妖星ゴラスを回避できるように、弱い力でも長時間噴射すると地球全体の問題になります。
これは山頂から見て東西方向に同規模の吸い込み口をつくりまして、対にすればほぼ相殺できるとは思いますが(滝汗
また、山側で吹き出した空気はいずれ拡散して地表に降りてくるのですが、若干ですが周囲の気温を上昇させるので環境破壊にはなりますね。少なくとも植生には影響を与えます。森林限界も変わりますね。
ゲートを水力発電所の上下に設置して、エッシャーの滝のように落ちた水が(蒸発や飛散した損失はございますが)また戻ってくるようにして無限発電をしても、ゲートの維持魔力の問題や、万有引力は、水を引き付けると同時に地球も(質量の比からするとほぼ無視できるレベルですが)その方向に引き寄せられるので、同じような問題が生じると思います。
これも地球(惑星)中心に対して点対称になるような位置に発電所を設置すればほぼ相殺できると思いますが。
それでも、思いもしない落とし穴が用意されている可能性はございます。
もちろん、ゲートや瞬間移動が存在する時点で、ファンタジーなんだから、これらの問題は、ご都合主義で、魔法やファンタジーでなんとかなる!と言う考えもございます^~^
作品がおもしろければ、細かいことはいいんだよっ!