ストップ ウォッチ
勢いのやっつけです。
矛盾や残念なところは華麗にぬるーしてくざさい。
なんちゃってのてきとう科学バンザイ!
「わはははははははははー!やったぞ!ついに完成だ!」
男は懐中時計の様なものを振りかざして雄叫びを上げる。
「古本屋でアレを見つけた時は何の冗談かとも思ったが、まさか本物とは!」
男が持っているのは時間を止める時計。
古本屋の床に置かれた箱に入った、付録付きの雑誌。
その中の一つがこれだった。
時を止める時計【ストップウォッチ】
売値100円プラス税の捨て売り。
男は家でテレビを見ながら時計を弄っていた。
別に信じてなんか居なかった。
手持ち無沙汰に触っていた指が偶々龍頭に触れたのだ。
途端に番組が止まる。
「………?」
一瞬の間を置いてまた動き始める。
寝転がっていた男はガバッと起き上がり買ってきた雑誌を夢中になって読んだ。
この付録は時を止める時計…時計と操作した人の周囲1cmだけを除いて時を止める時計。
興奮した男は駅前の銀行へ直行した。
「金なら銀行だ!」
銀行に到着した男は考えた。
カメラに映ったらマズイかもしれない。入る前に操作すべきだ。
銀行の少し手前で龍頭を押す。
ーーーーーーー時は止まった。
緊張の余りかよろけてしまう。
「熱っ!」
思わず時計を落としてしまった。50cm先に落ちた時計は真っ赤になっている。
何が起きたかは分からなかった。
大急ぎで時計を拾おうと足を踏み出した瞬間、足が燃える!
倒れこむ、と 続いて全身が火に包まれる。綺麗に周囲1cm。
のたうつ手が龍頭に当たり時が動き出す………。
『# 本日お昼頃、何某駅前通りの銀行前で人が燃えているのが発見されまs………』
男は流れ星になったのだ。
読んでくださった方々ありがとうございます、なんか申し訳ないです。