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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
青年期。友人を得る
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71話  《盾》。お邪魔虫にイラつく

シスコン&ブラコン

 始まりの地。

 その地の会談が始まった。


「姉さ…姉貴」

 その別室。そこには大勢の象徴達。

「何だ?」

象徴おれたちは参加しなくていいのか?」

 そう会談が始まったとそれぞれの国の王が動いたが、象徴は動かずそのままいる。


「俺らは象徴だ。そこまで人の役割に口出せない」

 そう説明してくる。

「そういうものなのか……」

「象徴は民の心の表れだが、決断するのは国を導く人の代表おうだ」

 まあ、人同士で揉めそうなら俺らの出番だけどな。

 そう説明される。


「じゃあ、俺達はここで何をすれば………」

「――ヒメル」

 そっと名を呼ばれる。姉だけが呼べる愛称ではなく、正式な名前で、

「俺らの目的は王を支える事だ」

「………」

「王の傍らに民が居る。それを王に忘れさせないために居るんだ」

 それを重圧と感じるべきか。

 励ました感じるかはその王次第だけどな。

 姉さんの言葉を聞いて。


「今の姉さんの言葉じゃ重圧になるだろうけどね」

「まあな…」

 俺に対しての劣等感がありまくりだしな……。


 どうしたもんかと困っているようだ。表に出してなかっただけで。


「姉さん……」

「んっ?」

「内政は俺の専門だ」

 告げる。

「ああ。そうだけど……」

 それがどうしたんだ。

 尋ねてくる姉に少し笑い――姉が真意に気付いてないという事はいつも負けている姉にある意味一矢報いた気がするのは何故だろう――、

「陛下が重圧にならない様に励ますのは俺がしますよ」

 告げると、

「ああ。そうか」

 少し考えて、

「任せる」

「ああ」

 そう返事していると。


「仲いいですね」

 くすくす

 烏丸が現れる。


「私も混ぜて下さい」

 にこやかに告げてくるが何となく不愉快に感じてしまう。


「烏丸……」

「同盟を近いうちに結ぶんですしお話を一緒にさせて下さい」

 姉さんと烏丸が穏やかに話しているとなんかむかむかしてくる。

「それなら、ヒメルの方がいいだろう。俺はそこら辺は得意じゃねえし」

「待っ……⁉」

 だから二人で語り合えと去っていく姉さん。


 せっかく久しぶりに――準備とかでなかなか一緒に居られなかった――のに。 


「安心してください」

 ぼそっ

「お姉さんは取りませんよ」

 にこっ


「取るって……」

「おや。自覚無かったですか?」

 尋ねられて、

「いや、その……」

 どう答えればいいのか分からなかった。


 ――あの人に救われた。


 拾われて名を貰い。生きる事を教えてもらった。

 あの人がいなければ自分は消えていた。


「咎めませんよ。家族を大事に思うのは当然ですから」

 くすくす


「それに。お姉さんも不器用というか絡まってますけどただ単に」

 ふふっ

「貴方のお友達を作ろうと思っているだけですよ」

 と笑って告げられた。

因みに烏丸にも家族愛を越えているのはバレバレ

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