66話 《盾》。気ままな姉に気疲れする
フリューゲルはフリーダム(笑)
煌びやかな戦場――。
その中で特に優勢なのはやはり神地だろうか。
黒い髪。黒い目。
国主。象徴。共に見目麗しく。注目をせざる得ない。
「お前達よりも作り物めいてるな」
王が告げる。
「………」
言われて改めて見る。
「表情でしょうか……」
喜怒哀楽。笑みを浮かべているが、何というかのっぺりとした。こちらの言葉が通り抜けるような作り物の笑みなのだ。
「文化の違いかもしれないが、どんな話題を振っても笑い続けているな。中には怒らせようと過激な話題を持ってくる者も居るようだが」
それも笑って流していく。
「……」
陛下の言葉を聞いて、
(ああ。この人やっぱり優秀なんだなぁ~)
どうも姉さんの当たりが凄すぎて優秀だというのを忘れる。
まあ、それはそうと――。
「――陛下」
「どうした?」
「北の方々は」
巨人たちは自分達だけで固まってこちらに来ない。
こちらも近付くのを敬遠している。
「――イーシュラット(エドワード)とか。ラーセロ(カナリア)。アルシャナ(マーレ。テッラ)ノーテン(シュトルツ)辺りが切り込むだろう。あの辺りは我先にと国交を深めたいものが多いからな」
そこの乗ればいい。
「ですが……」
「第一。利点が浮かばない」
だから積極的に動かないと告げると、
「それよりも神地だな」
陛下の言葉に、神地に視線を送ると、
(…何しているんだ姉さん!!)
神地の…恐らく例の女性の君主と烏丸と一緒に話をしているのが見える。
間違ってはいない。間違っては。
女性の君主なんてと陛下が不快に思われるから姉さんが相手した方がいいけど。それでますます不愉快になるのが目に見える方が居る。
「……陛下」
「神地の強国の君主は」
視線を神地の国主達に向ける陛下は姉さんが一緒に居るのは国主とその象徴という認識では無いようだ。
強国……。
確か始まりの地をいく時に聞こえた。
「リヘイロンという名前だったと……」
象徴の名前が。
「そうか。ではその方を探すぞ」
「――はい」
どうやら陛下の中では自分はフリューゲルよりも強国の象徴と王に繋ぎを付けるという事で決着をつけたようだ。
再び姉さんの方を見るが、姉さんは烏丸達の傍に居ない。
どこ行ったのかと探すように視線を動かすと。
「……なっ⁉」
叫ばなかった事を褒めて欲しい。
姉さんがかなり自由人だと知ってはいたが、まさか……。
(北の巨人に話し掛けに行っているとは思わなかった)
陛下は、貿易に強い国(アルシャナ、ラーセロ)とか。自国こそがこの地域の代表だという国(イーシュラット、ノーテン)が接触しに行くと思っていたようだが、
(軍国の内が一番乗りか……)
この後の事を考えるとかなり内外に荒れるなと予想がついて胃が痛くなりそうだった。
王「だからあいつが嫌いなんだ……」
リヒト「……(ごめんフォローできない)」




