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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
青年期。友人を得る
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64話  《剣》。集う者達を観察する

北の巨人――根源の大陸。

南の精霊の地—―ビアンカ達の居る虚ろの大陸。

西の国々――音の大陸。

東神地―ー祈りの大陸。

 北の巨人。


 相変わらず壮観だな……。


 根源の大陸――北の地域はそう呼ばれている。


 かつて、神は人類を作る時、その不器用さで綺麗に作れず大きめに作った――。


 そう神話にあり、それから細かいのが出来るようになり、神地の住民を作り、そこから手を抜いて残りの二つの大陸の民を作った。


 実際はどうなのか不明だが、北の住民は皆巨人と呼んで差し支えない姿をしている。


 まあ、彼らにしたら俺らは小人なんだろうけど。


「姉さん…」

 リヒトが声掛けてくる。

「あれも象徴なのか……」

 尋ねてくるリヒトに頷く。

「滅多な事じゃ会えないからな」

 神地と同じくらい引き込もっている所だ。


「そうなのか……」

 リヒトが信じられないと呟くので、慣れろと告げると、

「――神地組も来たのか」

 巨人の足元。黒髪黒目の見目麗しい――象徴はみんな見目麗しいが――人々が見える。


「神地だ…」

「神秘の国々だ……」

 ざわざわと神地組に向けられる視線。


 滅多に現れない存在二つが現れたのだ興奮しないというのがおかしい状態だ。


「――そう言えば姉さん」

「うんっ?」

 リヒトが呼び掛けてくるので視線をリヒトに向ける。


「陛下は……?」

 始まりの地の会談は王も参加のはずなのに見かけないが……。


 リヒトの疑問は確かにと言える内容だが。


「まあ、大丈夫じゃないか」

 王達は階段に昇る必要ないと告げたのはエーリヒだ。

 他の奴らはともかくエーリヒが言うんだ昇る必要がないだろう。


「正解!!」

 マーレが声を掛けてくる。

「マーレちゃん」

 まだ居たんだ。俺が苦手なのに。


「ヒメルって、フリューゲルの事『姉さん』って言うんだ~!!」

 揶揄う口調。

「なっ!!」

 揶揄うなよ。リヒトが恥ずかしがって顔を赤らめているじゃないか。


「可愛いね~。そんなガタイがでっかいに~」

 おいっ、揶揄い過ぎない方がいいぞ。


「その口閉じろ――!!」

 リヒトが恥ずかしさのあまり関節技掛けている。


「痛いっ!! イタっ、イタイタっ!! 降参!! 降参だからっ!!」

 離してと暴れるマーレに、

「リヒト。痛がってるから止めとけ」

 声を掛けると、

「すっ、済まない!!」

 慌てて技を掛けるのを止める。


「礼服でも技を掛けられるなんてすごいぞ!!」

「……それ。褒める事じゃないから~」

 マーレが涙目になっている。


「――で、マーレちゃんは何を言いに来たんだっけ?」

 何か言いに来たんだよな。あれっ、違ったか。


「あっ。そうそう!! 俺の所も王様来てないけど大丈夫だよ~」

 にこにこと教える。

「なんでだ?」

「フリューゲルも知らないんだ⁉」

「俺は若い方だからな象徴としては」

 まあ、最近俺より若い奴が増えたけど。俺の周りは見た目はともかく実年齢は上の奴らが多いからな。


 こう見えて、マーレも俺より上だしな。


「まあ、見てなよ」

 にやにやにや

 何か企んでいるな。


 いや、何が起きるがその反応を楽しんでいるようだ。


「驚くような内容か……」

 一体何があるのかと。そう思っていたら、


 かくん


 地面が揺れる。

 掴まる物が近くにないので、リヒトに掴まる。


 かくんかくん


 揺れる。

 周りの光景がゆっくりと下がっていく。


 リヒトがなぜか顔を赤らめている。まだ、マーレに揶揄われた羞恥心が残っているのか。恥ずかしがり屋だな。


 そんな事を考えていたら地面は止まり。


 海の上。


「これで、王様たち来れるよ~!!」

 マーレの言葉に、

「なら、わざわざ階段昇る必要ないんじゃないか」

 つい言うが、

「……そういう決まりなんだよっ!!」

 マーレが慌てて反論していた。




マーレ&シュトルツ『俺の(私の)怖がっていた意味は何でしょうか……』

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