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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
青年期。友人を得る
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46話  《盾》。ミノムシに同情する

立派なドSに育ちました(笑)

 ミノムシ状態のマイケル――だったかなエドワードの弟の名前は?――を見つめ、

「結び目が甘いな」

 あれなら縄抜け出来るな。


 むしろ。


「なんで、縄抜けしないんだ………」

 あんな甘い結び目逃げて下さいと言っているようなものじゃないか。


 取り敢えず気になったのでより強硬に縛っておく。


「何教えてるんですか!! 貴女はっ!!」

 そんな自分を見て、悲鳴をあげる。シュトルツが姉さんの肩を掴み掛かって叫んでいる。


「何教えているって……、護身術」

「護身術越えてるでしょう!!」

 ……何言ってるんだ。立派な護身術だろうに。


「ああ……。わたしが育てればそんな野蛮な事を覚えなくて済んだのに」

「野蛮でもないだろ。身を守る手段は覚えれるだけ覚えた方がいいものだ」

 それに、

「「身を守る術を覚えるなら、その危険の種類も見定めて覚えておくに越したことないだろう」」

 姉さんと俺の言葉が重なる。


「あの時勝っておけば……」

「シュトルツさん。落ち付いてください!!」

 ジェシカがそんなシュトルツを慰める。

「こう考えればいいんですよ。立派な攻めに育ったと」

 攻め……?

「ジェシカ……」

「ああ。ヒメル×シュトルツさん。美味しいですね」

 じゅるりっ

 何で涎垂らしているんだろう?


「リヒト」

「ね…姉貴?」

「さっきのジェシカの台詞と今のジェシカは見ない方がいい。ってか、忘れる」

「……えっと、姉さんが言うなら」

 あっ、恥ずかしいから人前で姉さん呼びをするのを止めていたのについ出てしまった。


「何すんだよっ⁉ 乱暴だな!!」

 ミノムシが暴れている。

「――黙れ」

 ドスの聞いたエドワードの声。

「おおっ」

「……久しぶりだな。エドのマジ怒り」

「怒りたくなるだろう」

 カナリア。姉さん。カシューの面白がっている声。


「あの……」

 困っているトーマス。どうやら俺とトーマスとビアンカだけは知らない様子の様だが、他の者からすればそこまで驚く事ではないようだ。


「ひぃぃぃぃぃぃい!!」

「エドを怒らせんなよぉ~!!」

 マーレとテッラが怯えている。


「ふ…ふん。お前なんか怖くないんだぞ!!」

 ミノムシ状態で言う事だろうか。


「――そうか」

 なら、俺が相手しない方がいいかもな。

 にやっ

 

 ~~数分後~~


 ぶらんぶら~ん

「ラサニエル。鳥居ゲートが壊れてるのだが……」

「それはそうだけど、入らん方がええで。烏丸カラスマの神経逆なでしとうない」

 マストの先にぶら下げているマイケルをほかって作戦会議中のエドワードとラサニエル。

「離せ!! さっさと止めるんだぞぉ~。こんな野蛮なやり方が許されないんだぞ!!」

 ミノムシ――もといマイケルが喚いている。


「――ふうん。まだ喚けるんだ。すげえな」

 あっ、姉さんが面白そうにマイケルを見てる。

「お仕置きが足りないか。――やるか?」

 エドワードが姉さんに尋ねる。


「俺は弱い者苛めはしね~ぞ」

「俺は弱くなんかないんだぞ!!」

 叫んでいるマイケルにああご愁傷さまと思ってしまう。


「――そうか」

 にやりっ


 ~~また数分後~~


「反省したかぁ~?」

 面白がりつつ尋ねる姉さん。その足元には鳥に突っ突かれているマイケルの姿があった。


象徴って、性悪が多いな。

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