41話 世界が揺れる日。
新章です。新キャラしか出てません。
神地――――。
難攻不落。触れる事が許されない聖域。
そう呼ばれる地に近付く方法はその地の者に認められるしかなく。それ以外の者が近付こうとすると途方もない、何もない地に送られて生死を彷徨う――。
その神地の入り口と言うか目印は、大きな大きな朱い門のような柱。
それが、海のど真ん中に突っ立っている。
「わぉ!! すごいもんだな!!」
マイケル・カーペンターという人間名を持っている象徴は目を輝かせている。
巨大な軍艦。その軍艦の前で歓声を上げていると、部下が不安げに、
「マイケル。これ以上進むのか? 神地に近付いたら……」
「そんな迷信信じてるのかい? くだらないなぁ」
彼は象徴の中で若いので、神地と言う存在の恐ろしさを身を持って教わっていない。
「引き篭もっている困った輩に挨拶に行くんだぞ!! 引き篭もってもいい事無いからな!!」
若さゆえ。
無知がゆえ。
そのため彼は止まらない。
彼と言う象徴を生み出した国も止まらない。
「頼もぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!」
大声。
「俺は君たちと仲良くなりに来たんだぞぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
だから入れてくれないか。
叫ぶ声に、
シー―――――ン
「反応がないなぁぁぁぁぁ。仕方ない強行突破だ」
と門を潜ろうとするが、
ばばばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああんんん!!!!!!!
船に落ちる雷。
現れたのは雷を纏う虎。
「何者だ!!」
虎は人の言葉でしゃべりだす。
「わぉ。人の言葉をしゃべったぞ!!」
驚いたぞ。
歓声を上げる。
「無知だな。生まれたてか」
牙を向ける虎。
「そうだぞ。君は魔物か何かかい?」
尋ねると、忌々しいと言う様に虎は答えない。
「やっぱり魔物か!!」
なら容赦しないぞ。一度魔物を退治して見たかったんだ。
手には銃。
そして連続して撃っていく。
流れる血。その地は人と同じ赤いモノ。
「魔物も人と同じなんだな」
勉強になったぞ。
その言葉に憎悪を宿した眼差しで虎は睨んでくる。
「まだ、反抗的なのかい? さっさと降参するといいんだぞ!!」
「――若者は礼儀を知らぬか」
声がした。
朱い門――鳥居と呼ばれるそれに三本足の鴉が止まっている。
八咫烏神地にとって神の御使い。そして――。
「――その方は、旧ムズィーク王国の近隣の国ではないようだな」
鴉は黒い服――着物と呼ばれる物だとはマイケルは知らない。
鴉から一瞬で人間の青年姿に変化した青年は、涼しげな瞳でこちらを見て、
「ここは神地。立ち入りを許した者しか入る事は許さない」
宣言。
「ムズィークなんて国は昔の国でとっくに滅んでいるぞ!! 君は何者だい? やっぱり魔物かい?」
なら退治しないといけないと逆に宣言すると、
「なら、ラースロ。アルシャナ。ノーテン。イーシュラットに聞くといい」
「そんなの待てないんだぞ」
その言い方は自分の我を通す子供の様な代物。
自分の言い分だけが正しくて他者の考えを気にしていない。
「――そうか」
彼はふと気づく、
「この門が君達を魔物にしてんだなっ!! 俺が君達を解放してあげよう!!」
「まっ……!!」
「大砲の用意!!」
いっけ~!!
その声に合わせるようにその門は壊れる。
――それと同時に世界が揺れて、自然災害が世界を襲った。
主人公達は次回……。




