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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
幼少期。《剣》に出会う
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35話  《盾》。内側の戦いの用意をする

そろそろ幼少編が終わります。

 戦いが終わり。


「ヒメル。グランディア・ルーデル?」

 起きてすぐにその名を聞かせられた。

「僕の名前?」

「ああ。象徴の名は最初の王――とか俺の場合は団長だったけどな。まあ、そういう存在が付けてくれるんだ」

 だからリヒトは仮の名前だ。


「………」

 そう言われて、子供じみてると思ったが不満を抱いた。


「リヒト?」

「……僕の名前はリヒトでいいのに」

 今更ヒメルなんて名前をもらっても。

「そうだよな……」

 そりゃ、不満だな。

 軽い口調。


「姉さん?」

「俺の名前は最初はプリ―メルだったんだよ」

「プリ―メル?」

 それって、確か植物の名前……。


「そう。希望を意味で、付けられてな」

 笑って告げる。

「お前のリヒトと同じだな」

「………」

「一応。王としての沽券があっての名前だ。嫌かもしれないけど、そのうち慣れるさ」

「でも……」

 不満を抱く。


「それよりも問題はその名前とともに正式なお披露目がある」

「お披露目?」

 お披露目って……。

「近隣諸国の象徴と王が集まる。そこもまた戦いだ」

 戦い。


「戦争は終わったんじゃ……」

「そうだな。血が流れる戦場はな」

 血が流れない戦場?


「お前が《盾》なら覚えた方がいい」

 ぽんっ

「内政。……治世に関係する戦いだ」

 内政……。

「レーゲンブルネンの……」

「んっ?」

「レーゲンブルネンの王様が僕の《盾》の名は内政の意味を持つと教えてくれたんだ」

「ああ……」

 姉さんはなる程と納得して。


「剣は外敵。外の敵に対しての名前だ。守るためとあるから防衛戦。それが俺の名前の意味だな」

 だから防衛特化だ。

「逆に盾は内政。戦うとあるから内の敵。つまり内部を守るという意味に捕らえたんだろうな」

 流石、レーゲンブルネンだな。


「レーゲンブルネンってすごいね」

「ああ。他国にない力知識。――それ故最強。それであって彼の国の凄い事は外を攻めて国を強くしようという考えはないから信頼できる」

 すごい国だな………。


「で、戦争って」

 内政の戦争って、

「まあ、色々あるけど。一番は情報戦だ」

 お前を餌に情報が集まる。

 人脈を広げ、周りを見て、弱体化した国。羽振りの良い国を探っての付き合い方。

 それがもっぱらだな。


「じゃあ、僕は……」

「まあ、分かりやすく言えば囮。だけど、お前が御し易いと判断したら隣国は攻めてくる」

 怖い事を聞いた。


「戦争は血を流すだけじゃない。情報戦。商売。生産。ありとあらゆるものを自国の有利に進める。その為にお前を探る」

 だから、油断するな。


「………」

 それが内政の戦い。

 頷く。

 怖いが。

「僕の戦場」

 そう。ならば挑むと決意を新たに抱いた。


リヒトの正装は短パンにしたいな

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