21話 《剣》と《死神》。自軍の戦いを有利勧めるために行動する
《死神》の名を出すのをタイミングが掴めません
大鎌は一人。また一人と敵味方関係なく命を奪っていく。
「――相変わらずだな」
「ルーデル卿……」
「お前達は下がっていろ」
ここからは。
「人外の領域だ」
鎌が振り下ろされる。
それを躱して、横から剣を叩きこむ。
「乱暴だな~」
攻撃は当たるがダメージはない。
逆にこっちが痺れるような感覚が来るだけだ。
雪を思わせる白いコート。
多分その下に鎧着込んでいるのだろう。
金属の鎧は寒さにきついからと革の鎧を。
「そんな事しないでよ。悲しいじゃない」
攻撃の当たった所を撫でているが、
「嘘つくな。化け物が」
ほんとこいつは厄介だ。
「酷いなルーデル君」
「酷くて結構!!」
お前に好かれたいとも思わないし。
「むぅ」
子供の様に膨れても可愛くないぞ。
可愛いのは。
笑みが知らず知らずに浮かんでいた。
リヒトの顔を思い浮かべて。
ああ、あいつだったら膨れても可愛いなと対微笑ましく思えたのだ。
「――何考えていたの?」
戦闘中。
考え事をしていたが攻撃は緩めてない。だけど、こちらが他所事を考えていたのはバレバレだったようだ。
「ねえ!!」
攻撃が強くなったな。相変わらずの馬鹿力だ。
ぴぃぃぃぃ
飛んでいた鳥が攻撃を逸らすように《死神》に攻撃をする。
「――止めとけ」
お前じゃ勝てないから。
攻撃が緩まった隙に抜け出して、距離を置くと待ってましたとばかりに肩に乗る大鷹。
「鳥を味方に付けてずる~い!!」
「天候を操れるお前に言われたくない」
苦情を言うと、
「しかも鳥とは仲良くしてくれるし~」
ムカつく。
その可愛らしい言葉とは裏腹な攻撃。
「僕には名前で呼んでくれないし。遊んでもくれないのにそんな鳥には優しいのが苛立つ」
消えちゃえばいいのに。
ぼそっと呟かれた言葉。
その言い方に鳥肌が立つ。
「まあ、いいけど」
にっこり。
「ねえ、ルーデル君」
にこにこ
「僕の所においでよ。仲良くしたいんだよ」
だから、ねっ。
「――生憎」
俺は仲良くしたくないからな。
鷹が飛び立つ。
それに合わせて矢が雨のように降る。
「また、それ?」
さっきから同じ事ばかりじゃないの?
呆れた口調。
「こんなの避けちゃえばいいし」
軍に合図を送ると矢を避けて森を出る兵達。
森の中だから気の居る弓兵の攻撃が当たるなら出てしまえばいいと考えたのだろう。
「――どうかな」
にやりっ
「ひゃあああああああ!!」
響く悲鳴。
ざざざざざざざざあぁぁぁぁぁ
落ちて行く音。
「平野が安全だと誰が言った?」
にこりっ
「落とし穴……」
森では弓矢。平野では落とし穴。
「自分も囮にしちゃうんだ」
感心したように告げるので。
「計略はこうやってするんだ」
と、誇らしげに笑った。
色んなものを大切にするルーデルが実は嫌いな《死神》




