17話 《盾》。戦争の熱気に充てられる
さてと戦争前です。
外が騒がしかった。
鎧を着こんだ人々が行きかい。馬が次々と鞍を付けられている。
「……何をしてるの」
分からないけど。怖い。
「――戦争がはじまるんです」
不安がっていたら説明される。
「リーリエ」
戦争って、どういうこと? そう尋ねようとしたリ-リエの格好がどこかおかしい。
「リーリエ?」
革で作られた胸当て、腰には剣が下げてある。
「戦争は大きくなると予想されます」
こちらの視線に気づいたのだろう説明してくれる。
「それって……」
そう言えば、姉さんが陛下とそのような話をしていた。
「リーリエ」
ばんっ
扉が開き、鎧に身を包んだ姉さんが姿を現す。
「姉さん!?」
「すぐに出る。リヒトを任せた」
「Ja!!」
姉さんはこちらを見ないでリーリエに指示を出す。
「姉さん……」
「リヒト」
金属越しで撫でる手。
「しばらく帰ってこれないから陛下とリーリエを頼んだぞ」
「姉さん……」
冷たくて硬い感触。
「お前の象徴名は《盾》だ。玉座のため。国の為に守れ」
そう告げると手を離す。
「姉さん!?」
不安になった。心配になった。
「帰って来てくれるよね!!」
怖かった。
自分を捨てて去っていた人々。
いらないと言われた自分。
それを救ってくれた人。
「当然だろ」
不敵に笑うその姿。
ぐしゃっ
「だから待ってろ」
それだけ告げて外に出てしまう。
「リーリエ」
声を掛ける。
「――何ですか」
リーリエの眼差しがこちらに向けられる。
「戦闘は酷くなるの?」
戦闘は前もあった。この国に来てすぐに。
――でも、前回はここまでじゃなかった。
「………」
リーリエはじっとこちらを見て。
「そうなると思われます」
断言。
「相手は一国ではありません」
………そんな事を陛下も告げていた。
「大国リンデン。歴史が長いノーテン。どちらも敵に回すのは酷な相手です」
それに。
「我が国が不利だと判断したら動くと思われる国もあります」
「エーヴィヒには?」
「……」
沈黙。それが答え。
「リヒト様」
その声が聞こえたのはたまたま静かになったからだ。
「陛下がお呼びです」
声を掛けられるが、一体何でだろう。
「…………すぐに向かいます」
告げて、
「リーリエ」
言ってくると伝えると、
「リヒト様!!」
呼ばれる。
「我が国には守護者が居られます。たとえ劣勢でも勝利に導いてくださる絶対的な守護者様が」
だから。
「だから、陛下がもしも最悪な事態をおっしゃられても気になさらないで下さい!!」
最悪な事?
「リーリエ? それはどういう事?」
尋ねるが、
「………言えません」
手を強く握りしめて、告げる。
迷いのない声。
強い意志。
「よく分からないけど、僕はそれが自分の意思にそぐわなかったら断るよ」
そう答えると、
「――その言葉を違えないで下さい」
そう返されて、
「行ってらっしゃいませ」
頭を深々と下げられる。
「お待たせ」
ずっと待っててくれた呼び出した騎士に声を掛ける。
「お気になさらず。それにリーリエの言葉はルーデル卿も同じ事をおっしゃると思いますので」
こちらです。
案内されて王のいる――先日と同じ部屋に案内された。
陛下は何て言うのかな~




