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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
毒の支配
178/185

173話 《剣》。未来を託される

久し振りの方の登場………久しぶり過ぎて作者もキャラを忘れかけた。顔文字めんどい

 ある日――。

 一人……いや、二人の《象徴》から文が届いた。


 そして、その後日――。


「――邪魔するな」

 北の大地。


 崖によって阻まれているその大陸に登るなんて無謀な事をするなと叱られても仕方ない状態であったが、それでも登ってそこに行かないといけない事情があった。


「来てくれましたか(((o(*゜▽゜*)o)))」

 発音がどことなくおかしいのは住んでいる地域の影響だろう。


 北の大陸。巨人達の《象徴》が迎えてくれるが、寝台の上で顔を見たくても見に行くのが困難な状態だ。何と言っても眠っているだけで、自分の身長と同じくらいなのだ。


「……悪いな。休んでいたのに」

 ある頼まれ事が書かれていた文。

「いえいえ全然(>_<)」

「全然という感じに見えないな……身体悪いって本当なのか?」

 その文を見て、リヒトに仕事を任せてここまで来た。


「なあ、ティマ」

 北の巨人。その巨人で唯一交流のある存在に声を掛ける。

「(/ω\)」

「頼むからしゃべってくれ」

「(´・ω`・)エッ? しゃべってましたけどΣ(・□・;)」

「…………しゃべっていたのか」

 やっぱ言語の誤差があるな。


 何か本題を忘れそうだな。

「――で、頼みって?」

「あっΣ(・ω・ノ)ノ!」

「……………忘れていたのかよ」

 呆れればいいのか、笑えばいいのか。


「あのね……(/ω\) この体調……(●´ω`●) 子どもが出来たからなんだ………\(^o^)/」

「そっか。子供が……………はッ⁉ 子どもって。おいっ!!」

 俺ら象徴だろ!!


「ふふっ( *´艸`) そう出来たのΣ(・ω・ノ)ノ!」

「………………………マジかよ」

 どう反応すればいいんだ。


「そう驚く事も無いじゃない。そっちの大陸に居たでしょ」

「……………ああ。らしいな」

 マーレちゃんとテッラちゃんはそんな感じで生まれた象徴だ。


「私と夫が長い事夫婦として国の《象徴》をしてた。――民が代替わりを求めたんだ……(-"-)」

「ティマ……」

「国に《象徴》は一人または二人。三人以上はよほどじゃないと居ない……(◞‸◟) 多分、子どもを産んですぐに私達は消えるでしょう……」

「……………」

「だから、フリューゲルに後見人として子供を守ってもらいたい」

「――何で俺なんだ。地理的にも北の奴らでいいだろう。それに、その手の事はシュトルツの方が向いてるぞ」

 俺はその手の事は強くない。そう断ろうとするが、

「《冬》が北の地にも進行しているの」

「リンデンか………」

「そう(-_-;)」

「でもなんで、あいつというか……リンデンには北の地はうまみが無いだろう」

 言っちゃなんだけど、あいつが欲しているのは暖かい土地。


 ――北の地とは真逆だ。


「………北には冬にしか育たない食べ物があるんだ(´Д`)ハァ…」

「それ目当てなのか……」

「そう。それに、北は、金山が多い……」

「……………」

 納得した。


 リンデンは冬に囚われた国。全体的に貧しい。

「欲しい物に関しては子供のように求めるからな」

 食糧危機。資金不足。

 そのどちらも解決できる方法があるのなら飛びつくだろう。


 それに……。

「来たにいる巨人が奴隷となれば生活が楽になる。とでも考えそうだな……」

 あの国ならあり得る。


「防衛特化。だからこそ後見人になってもらいたい」

「……………」

「勝手だと思うが、貴方に託したい」

「………………俺の一存じゃ決めれないぞ」

「――承知している」

 それくらいなら待つ時間はある。


「……………あんまり期待すんな」

 決めるのは俺じゃなくて、王だぞ。


「フリューゲル」

「――なんだ」

「この件は我が国の王と私の夫。そして、貴方しか知らない」

「……………」

「貴方なら、信頼できる。――この事は他の者には他言にしておいてくれ」

「………うちの陛下には言うぞ」

「それくらいなら構わない」

「……………」

 母になるからだろうか。伏しているが、強さを宿している。


「私は嬉しい……」

「? なんでだ?」

 慈愛を含んだ視線が体の向きを変えた時に向かい合う。


「私たち《象徴》は民の心が離れて行く時と国が滅ぶ時に死ぬ。それが自然の摂理であった」

「………」

「でも……私は残せる。民の物であって、自分の物は無に等しい存在。家族は民であり、身近な者の喜びも悲しみも素直に出す事が許されない立場。そんな自分が民が望んだ事もあるけど……私の物だとしっかり言える家族を得た」

「それも民が望んだ事だろう……」

「フリューゲル」

 首を振られる。

()()()()()

 強い口調。


「王にも……夫にも告げた。子供を託して後見人として託す存在は私が選ぶと。――フリューゲルなら……エーヴィヒという国なら信頼できると二人とも了承してくれた」

「……………買いかぶり過ぎだ」

 俺にそこまでの信頼をすると痛い目にあうぞ。


「……………」

 無言。

 それだけが答え。


「国には伝えておく」

「(*´ω`*)」

「期待すんなよ」

 やりにくい。

 そう思いつつ、守ってやりたい――まあ、自分の手が届く範囲であるが――そう思えた。


夫を出すの忘れた(-_-;)

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