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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
大戦
157/185

153話  《剣》。象徴の力に危機感を覚える

彼女の特殊能力ではありませんあしからず。

(剣一本駄目にしたか)

 100年ぐらい持ってくれそうないい剣だったのに残念だ。


 空間を裂きながらそんな事を思う。


 護るために戦う剣――その象徴名を現すかのように空間を裂いて、大砲の攻撃を完全にこちらに来ない様にしている。


 そんな常識じゃ出来ない芸当が出来るのも自分の本質が護るために戦うという存在であるからだ。ただし、そんな常識はずれな事を武器が耐えられるはずもなく。壊れるのは当然だ。


「マイク!!」

「なっ、何だいッ!!」

 なんか青ざめてるな。


(まあ、理由は分かるけど)

 こんな常識はずれな事を見せられちゃビビるわな。


「剣あるか?」

 とりあえず呼び掛けたんだ。さっさと目的を済ますか。


「剣? そんな時代遅れなモノ持ってるわけないだろう」

 こいつ馬鹿だな。


「接近戦持ちかけられたらどうするんだ」

 烏丸は武器無しで戦おう手段を持っているし、あいつらは武器も当然持っている。

 勝利のための手段は多い方がいい。まあ、それが邪魔になる程だったら必要ないが。


「? その前に決着つくだろう」

「その甘い考えは捨てておけ」

 時間があったら戦闘技術を叩き込まないとな。せめて、自衛できるぐらい。


 そんなやや現実逃避のような事を思いつつ、

「この剣が壊れるのが先か大砲の弾が切れるのが先か………」

 ぼやくように告げると。

「剣? 何で剣が?」

 ああ。こいつの目には見えてないか。


「空間を切ったんだ。それで大砲の弾がこちらに届いてない。だけど、剣一本では一回は防げるが二回目以降はどうなるかという事だ。防げるかもしれないし防げないかもしれない」

「わぉ。その常識はずれな行動も限界があるんだね」

「当然だろ」

 人を何だと思っている。


「それにしてもお前が居ないからといって好き勝手してるな。どういう命令系統してるんだ?」

「命令系統?」

 何の事だいと首を傾げられて、

「お前……今までどうやって指示してたんだ……?」

 嫌な予感がする。


「指示? そんなのしてないぞ」

「……………………精神洗脳系能力か」

 こいつの象徴としての能力は。


 そりゃ性質悪い。しかも自覚なしか。


『プリーメラ。象徴の能力はいろいろあるけど、どれが一番危険かわかるかい?』

『兄上? どうして急に……やはり気候系でしょうか? 天候を操られたら手も足も出ません』

 幼いころの記憶が蘇る。


『違うよ。――本当に危険なのは人間に直接影響を与える能力だ』

 静かな声で。彼は切なげに告げる。

『だって、人間に直接影響を与えてしまう事が出来れば……』


「ルーデル。何黙るんだい?」

「何でもない」

 こいつは自覚ない。そして、周りも気付いてない。


(あとで、シュトルツとエドワードに相談しよう)

 そんな事を考えてる場合じゃない。それに。


 胸騒ぎがする。


「っ⁉ リヒトっ!!」

 半身が――自国を二人で守っているから分かる感覚。

(何があった⁉)

 リヒトに何か異変が生じたのを感じ取れた。





さて、リヒトのターンだ。

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