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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
大戦
150/185

147話  《剣》。その茶番を終わらせに向かう

久しぶり過ぎて内容を忘れかけた

 ぴぃぃぃぃぃっ


「どうした?」

 一羽の鳥が肩に泊まる。


 言葉は伝わらないが、伝えたい事は何となく察せれる。


 戦争の様子を目の当たりにして、逃げて来たのだ。


「ああ。すぐに終わらせるから」

 そっと撫でる。


 視線を遠くに向ける。


「子供がっ」

 舌打ち。


 子供が火遊びとして持ってきた軍艦で、辺りを大筒で撃ち続けている。

「軍に所属してない一般人も巻き込んでるな……」

 綺麗事だが、一般人は巻き込まない。それは戦う者達の不文律。


 少なくても自分はそう部下達に告げていた。


「ルーデル卿」

 声を掛けられる。


「お前達……

 神地で神を生んだからという理由で神地から出る事が出来なかった部下達が現れる。


「………神地……烏丸はお前達にどんな条件を付けて来たんだ?」

 そうでないと国から出さないという感じだったのにな。

 確認すると、

「……神を異国に連れて来た時にどうなるかを知りたいと……」

「なる程」

 ………異人が、神を生んだ自体初めてだからな。どういう結果になるのか確かめてみたいのだろう。

(神を崇める国だから、神を生み出した者に敬意を示すという名目もあるしな)

 国交断絶した時は無理やり自国の民を攫って、その民の傍にいた神を兵器扱いしようとしていたと聞いていたけど、今回はどうなるのかというところか。


(これで、戦争に使えると判断したらどうする気だろうな……)

 神を戦争の道具にするつもりか?


「ルーデル卿?」

「リヒ……ヒメルの指示か?」

 愛称のリヒトと言い掛けたけど、リヒトじゃ通じないかったな。


「ヒメル……様?」

「……ルーデル公。俺の弟だ」

 ヒメルも通じて無かった。

「はッ、はいっ!! ルーデル卿の部下だと告げるとこちらに向かえと」

「そうか……」

 神地――天都に残してきたが、

「俺の渡しておいた課題は終了したか?」

 尋ねると目を逸らされる。


 うん。終わってないんだな。


「終わっていたら実践訓練になると思ったが……」

 じゃあ、どこまでしたのかと尋ねると、それに関して返答を聞き、

「なら――」

 ある程度使えるな。


「民間人を逃がすのに手を貸してもらおう」

「ルーデル卿!! 俺達はそれ以上できますが!!」

「――この砲弾が飛び交う中で逃げるのは容易じゃないだろう。しかもここはエーヴィヒじゃない」

 ここは、ラーセロ。攻撃しているミレニアムヘヴンからすれば、戦争参加を宣言してない第三国がしゃしゃり出てくるものではないと言いそうだが、

(敵にしたいのはミレニアムヘヴン(おまえら)だろう)

  期待に応えてやるのも必要だな。まあ、今回はしないけど。


「俺は敵の中に入るからな」

 お前らが居たらうまく動けない。

 そう告げると、訝しげにこちらを見て、

「なぜ、わざわざ敵の中に」

 尋ねてくるので、

「調べたい事があってな……」

 そう。ミレニアムヘヴンを……その象徴であるマイケルを操って何かを進めようとしている存在を捕えないといけないと思ったのだ。


「じゃあ、――頼むぞ」

 すぐに馬を進める。そして、監視の目が緩い場所を目視して、

「ぐあっ!!」

 気絶させて侵入する。


 女の兵士は居ないだろうと思って男の格好して――普段と変わらないと言われそうだが――長い髪は隠す。

 ミレニアムヘヴンの制服はすでに手に入れている。


 どんどん進んでいくと、目的地――マイケルの声が聞こえる場所が近付いたのをはっきり声が聞こえて感じた。

 


そろそろこの戦いを終わらせる予定なんだけどな

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