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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
大戦
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144話  《盾》。知らぬ間にセクハラをする

むっつりなリヒトが好きです(笑)

 我先にと争って飛んでくる鳥を見て、

(ああ。姉さんの所に向かうのか)

 と遠い目になってしまう。


 姉さんの象徴としての能力は鳥を操る事――というか鳥と意思の疎通をする事だが――その影響か鳥に異様にモテている。


「屋敷が鳥の糞まみれになるんだけどな……」

 愚痴っても仕方ない。


「姉さん」

 窓の外にたくさんの鳥の姿――うん。慣れないと恐怖だよなこの光景――を見て声を掛けると。


「姉さん?」

 姉さんは手紙を見て考え込んでいる。


「姉さん?」

 近くに行き、耳元で呼ぶ。

「ひゃぃっ⁉」

 ……………今の悲鳴は何だ。

(何だろう……。キュンと言うか、何か妙な感覚が……)

 ――後にとある象徴から。『それは”萌え”です!!』と教えられるが、まあそれは置いておいて、

「リヒトか驚かせるな」

「姉さんが俺がここまで近付いても気付かない方が驚いたよ。――そんなに重要な事が掛かれていたのか」

 尋ねる。


「………ああ」

 顎に手やって、考え込んでいる。


「どういうモノなんだ?」

 ひょいっ

 後ろから覗き込む。


「この字は、ラーセロの……」

「リッ、リヒト…」

 姉さんが呼ぶが、それよりも手紙の内容だ。


「えッと……『ミレニアムヘブンに妙な紙があり、ムズィーク王国の字に酷似している』………ムズィークって、滅んだ大国だったな。エーヴィヒの言語はそこの元だった気が……」

「リヒト……」

 手紙をもう少しよく見ようと手を伸ばす。

 

 もきゅっ


 柔らかい物が、身体に触れる。

「リヒトっ!!」

 姉さんが慌てている。

 心なしか耳が赤い……?


 って……⁉


 無意識だったが、姉さんを背後から抱き寄せていた。


(何やってんだ。俺はぁぁぁぁぁぁ!!)

 慌てる。

 離れた方がいいんだろうが。その感触をもう少し味わいたい。


(姉さんて意外と柔らかいんだな。あんなに武芸を嗜んでいるから全体的に硬いと思った)

 自分の方が大きい自覚はあったがこうやって触れると姉さんがすっぽり収まってしまう事に驚き、その感触を楽しんでしまう。

(さっきまで、何で気付かなかったんだ。俺ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)


 離れなきゃ。

 このままでいたい。

 いや、怒られる。

 もう少しこの感覚を堪能したい。

 

 ――自分の物にしているような感覚。

 

 ああ。このまま抱き寄せたら。

 身体の向きを変えて、向かい合ってみたら。


 この人はどんな反応をするんだろう。

 この人は……。

(俺を弟以外の物として認識してくれるだろうか……)

 ごくり


 そんな欲望が膨らんでくる。

 このまま手を伸ばしたら……。


 だが、

「いい加減にしろ!!」

 顔面に叩き付けられる肘。


「っつ!!」

 油断した。


「ったく。いつ動くかと思ったら全く気付かないのかよ!!」

 呆れた口調。

 攻撃を仕掛けるとさっさと抜け出してしまう。


 ああ。もっと堪能したかった。


「ほい」

 手紙を渡される。

「お前にも関係ある内容だ」

 しっかり見ろ。


「俺にも……」

 鼻がひりひりするのを摩りながら受け取る。


 そこには、ムズィークの字で、『……玉座。栄光』と掛かれている紙があったとある。長い年月で字に変化があったからこの旧字を使う者は限られているという報告。


「リヒトはこの字が読めるか?」

 手紙の最後に掛かれた一文。


「えっと……奪う者に報復を。白き獅子は憎悪を忘れ……姉さん」

「ああ。ここまで読めるか。続きは、『玉座を取り戻し、金の杖を手にし、我等はその地に戻る』とあるんだ。……ムズィークの王族しか使ってなかった字も使われている。……正直、シュトルツに教えてもらってなかったら俺でも読めない」

 テッラは読めなかったんだろう。だから、何とか写しただろうな。

 姉さんの言葉に、

「テッラ…? ラーセロのテッラからの手紙だったんですか?」

 正直、テッラとはあまり接点が無い。


「ラーセロの字なのは分かってましたが、テッラだったのか」

「ミレニアムヘブンで見付けたとあっただろう。テッラは今ミレニアムヘブンだからな」

 マーレちゃんだと思ったのか。

 姉さんの問い掛けに、

「はい」

 正直そう思った。

 ……いや、マーレにしては字が綺麗だなとか思ったけど。




こういうのをラッキースケベっていうのか無意識な方が性的に接触できるな。お前

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