外伝 人の物語
本編が進まないので民の話を進める……。
ラーセロの参戦。
それにより、海産物が品薄になる。
とある国の商店街で、ひそひそ噂話をしている。
「魚が最近高値だな……」
「ああ。戦争で船が出せないからな……」
「他の国も警戒してるしな」
「警戒?」
「ああ。ミレニアムヘヴンが戦争していたのは元々アルコスだったろう。それなのに隣国と言うだけでラーセロを攻撃したしただろ」
「そうだな……それが?」
「だからな。次は自分の国かもと恐れているのだろう………」
戦争を恐れ、人々は噂する。
商人は辺りを見る。店は減ってはいない。だが、活気はどんどん減っているのが見て取れる。
物価が高くなっている。
食料も兵糧様にと民に回らなくなるだろう。
「どうなるんだろうな……」
「ああ。調停も今回は動けないだろうしな」
不安な声。調停者が動けない。
戦争はどこまでひどくなるのか分からない。
「戦争か……」
ここまでひどくなるのはどれくらいぶりだろうか。
「………大国の前触れ」
誰かが呟く。
ここまで荒れるのは歴史に数少ない。だが、ここまで荒れる時には大国が生まれる。
どこか大国になる?
その判断を人は見極める。
そう。――生き残る。ただされだけのために――。
次回は主人公が帰ってきてくれることを希望……。




