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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
大戦
131/185

129話  《剣》。始まりに気付く

戦争は始まったけど、まだ当事者ではないから落ち着いてます。

 今の状況。

 その対応。

 それらを聞いて、不足分だと俺が感じて動き出している時だった。


 ばさばさばさっ


 鳥の羽ばたく音が耳に届く。


「――動いたな」

「姉さん?」

 窓から外を見る。

 エーヴィヒは被害は無い様だが、あくまでエーヴィヒは。だ。


「リヒト」

「――はい」

 返事はしたが俺の言いたい事は分からなかったのだろう。顔をこちらに向けてくる。


「近隣の国に連絡を取れ。そうだな……マーレちゃんとカナリアかな」

 杞憂で済めばいいが、鳥の動き。それに何となくという勘で、危険信号を感じる。


「姉さん……それって」

 戦争をすると宣言しているのはラサニエルの国。アルコス。

 そして、アルコスの隣は、カナリアの国アルシャナ。マーレとテッラの国ラーセロ。


「ミレニアムヘヴンはそこまで愚かじゃなきゃいいが……」

 俺の勘が外れてくれればいい。そう思った。だけど、

「失礼しますっ!!」

 非常事態なのか返事を待たずに入ってくるのは諜報専門の兵。


「ラーセロから緊急連絡。ミレニアムヘヴンが海から大砲を撃ち、それがアルコス寄りの自国に被弾。被害は甚大との事です」

「…………アルコス寄り。それはテッラの方か」

 ラーセロは特殊な国の形をしている。


 アルシャナ寄りは海。

 アルコス寄りは陸地。

 長細い形をしていて、それで接している国が多く。その均衡に常に振り回されていた。

 ある意味かつての強国の名残と言えるだろう。


「姉さん……」

「ラーセロは黙ってないだろうな」

「………」

 あそこは戦争が苦手だと公言している。だけど、

「海からの攻撃という事は軍船で来ているんだろうな」

「ですね。――陸地からの攻撃は届かない」

「………」

 戦争が起きるという事態になったので至る所にエーヴィヒが掴んでいるだけの地図が置いてある。地図には機密性があるので正確性が乏しいが、それでも大まかな状況を判断するにはうってつけだ。


 地図に触れる。

 海。そして、ラーセロの国境。

「海では、マーレが強い。というか。ラーセロは強国だ。それに商業に関しても大きな影響がある」

「………」

「しかも、テッラの方と言われている陸地は職人が多いんだ」

「職人……」

 そうなのか。少し信じられないという感じで呟くので、そんな事知らなかったのかと首を傾げる。

 あっ、もしかして。


「――リヒト」

「はい!!」

「マーレが実は優秀なのは知っていたけど、テッラの事は勉強不足だったか?」

「はい……すみません。後、姉さんがマーレを呼び捨てにするの意外で……」

「時と場合を選ぶぞ。俺も。じゃなくて、テッラの居る地域は農作物と芸術品が多い。というか、テッラのところで作った染め物をカシューが服として加工するんだ。普段着はあそこの制作したものだぞ」

 軍服とかは機密情報があるから無理だけど。普段着として丈夫だし、虫に襲われにくい。

「すみません……」

「まあ、いい」

 リヒトを叱るのは後だ。


「………」

「姉さん?」

「……シュトルツのところに行ってくる」 

 ここまで来たらアイツに確認しないとな……。


「なんで、わざわざ?」

「いろいろあるからな……」

 ため息交じりに告げた。




マーレ。人質に行っていたけど、結構境遇が良かったのでぬくぬくしていた。

テッラ。残されていたけど、その間国を維持していたので苦労性。(その間に当時放浪中だったフリューゲルを雇っていた)

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