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ニンギョウタチの物語  作者: 高月水都
外伝  《調和》と《理想郷》。そして《魂》
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107話  《理想郷》。戦争準備を始める。

マイケルは悪ではなく。無知なのだ。

 なんだい。何だい!!

 あの態度は。


 マイケルは怒っていた。

 この大陸には国境も文明もないのだ。だからこそ理想郷が出来ると喜んだのに、

(トーマのくせに!!)

 なんでそんな理想郷に国境なんてものを引くんだ!!

 

 わざわざ理想郷を汚すトーマの態度が許せない。

 トーマは自分の後ろで引っ付いていればいいのに。


「マイケル!!」

 考え込んでいたら俺の民が集まってくる。

「あいつらはなんて…」

 みんな憤っていた。

 自己主張しない大人しい奴らばかりだったのに何でそんな下らない事をするのかと呆れて憤慨していた。


 格下なら格下らしくしていればいいものを。


 そんな態度があけすけだが、マイケルは気にしてない。

 指導する者がいるのは当然。それに従うのも普通だ。それに逆らったのだ。


「あいつらのせいで。獲物も減ってきたんだよな」

「獲物?」

「ああ。あれらだよ」

 民の一人が指さすのは、この大陸に元々いた住民。

 逃げようとするので足枷を付けて、文明のありがたみを教えているのだ。

「精霊がどうのこうのと言って、一一俺らの邪魔をするんだよな」

 だから飼ってやっている。

「文明を知らない野蛮人だからな。俺らが親切に教えてやってんのに逃げようとするんだぜ」

 だから、足枷を付けているんだと誇らしげに告げる民。


 教育を真面目に受けない者は鞭打ち。それは指導である。

 だから、逃げるのなら足枷も当然。


「獲物呼びはどうだよ。アイツらだって、俺らと同じ人だろう」

 別の民が注意をする。

「同じ人~⁉ あいつらと同じな訳ないだろう!!」

 猿よりはましだけど猿と変わらないだろう。

 そう別の者が告げると、

「それもそうか」

 他の者達も納得したように笑いだす。



 ――だからこそ彼らは気付かない。

「格下に格の違いを教えないといけないのか」

 他人という存在の考えを理解しようという想いが――。


 これによって、南の大陸――通称虚ろの大陸で最初の戦争が起きる事になるのだった。





戦争の前に過去話で戦争するってどういう事だろうな……。

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