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前だけを見て

作者: 鈴音

始めから目的の決まった旅ならいいのに

そうすれば 大切なもののためだけに頑張れるでしょう


何のために ここに在るのか


その意味を知りたくて 回した思考は

先へ進むことなく 同じ場所で回り続けてる

誰かのために 自分のために 何かのために

思い浮かぶ理由は 夢見がち


現実を見ろと 否定されるばかり

暗闇を進めと背を押され

それでも 進むことができるの?


始めから目的の決まった旅ならいいのに

そうすれば 大切なもののためだけに頑張れるでしょう

どんなに辛いことがあっても どんなに悲しいことがあったとしても

只管に前だけを見て 歩くことができるでしょう



何のために 生きているのか


その意味を知るために 人は思考する

誰だって一度はぶつかる 不可視の壁の前

何かのために 自分のために 誰かのために

思い浮かべる理由は 偽善的


理想と重ならない現実に苛立つばかり

実現不可能と全てを切り捨てて

それでも 進むことができるの?


始めから目的の決まった旅ならいいのに

そうすれば 大切なもののためだけに頑張れるでしょう

どんなに苦しくても どんなに痛くても

只管に前だけを見て 歩くことができるでしょう



見ている世界はちっぽけで 広い世界に目をつぶる

いつだって 人は見たいものだけを見ている


空想 妄想 夢想 幻想 理想

想うことは 自由で非現実


産まれて生きて やがては朽ちる

当たり前のその事象 誰しもに訪れる始まりと終わり


幾千 幾万 幾億の 生まれて還るその過程

駆け抜けては過ぎ去る 短い時間に浮かんだ疑問


わたしは ぼくは なんのために うまれたの



始めから目的の決まった旅ならいいのに

そうすれば 大切なもののためだけに頑張れるでしょう


選べない選択肢に迷うことも 嘆くこともない

たどり着けない場所に 焦がれることもない

先の見えない不安に 孤独に 虚無感に 苛まされることもない

否定される恐怖に 押し潰されることもない

只管に前だけを見て 歩くことができるでしょう


選ぶことは 生きること 決意とは 生き様

定められた道の上を 歩こうとする者たちは

定められた道の上を 歩かされている者たちは


自ら選び進む ものたちには

どんな風に 見えるのだろうか


始めから目的の決まった旅ならいいのに

そうすれば 大切なもののためだけに頑張れるでしょう

只管に前だけを見て 歩くことが出来るでしょう

ぽつんとひとりきりになった時、考えることは何だろう。

孤独という名の妄想は大抵暗い方向に流れていくらしい。


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