表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりの約束  作者: くわとろプロジェクト
7/20

第7話 私の幸せってなに?

 どれくらいの涙を流したのだろう。もう自分でもわからない。休んでいてもあの日のことが夢に出てきて目が覚めてしまう。眠っていながらも泣いていたのかな。頬に跡が残っている。

 あれから半年以上経ってしまった。その間私は何ができたのかな。光也の手を握り、声をかけ、涙する。こればかりやっていたと思うけど、よく覚えていない。私と光也の時間は12月23日で止まったままになってしまった。


「さおりさん、ちょっといい?話があるんだけど」

真美さんが話しかけてきた。

「はい、いいですよ。なんでしょう?」

あらたまって真美さんが話そうとしているのは楽観できるものではなさそうだ。

「さおりさん、光也がこんなことになってほんとにごめんなさい。あれから半年過ぎたけど・・・」

今まで真美さんの涙はほとんど見たことなかったけど、ハンカチで拭う姿に私も泣きそうになる。

「はい、私なら大丈夫です。なんでも言ってください」

ある種の覚悟のような感情も湧いてくる。

「さっき先生の話を聞きに行ってきたんだけど、光也の意識が戻る可能性はほとんどないみたいなの。」

心臓がズシッと重いものを感じた。息が苦しくなる。

「でも、それでも私は待ちます。もし、このままだったとしても待ち続けます」

「ありがとう、さおりさん。その言葉は本当にありがたいわ。でもね、さおりさん。あなたはまだ若いし、あなたはあなたの人生を送ってください。あなたはこれまでよくやってくれたと思うの。光也のために」

真美さんの一言一言が頭の中を巡っている。聞きたくなかったけど、いつかはこういう話が出てくるのではないかとも思っていた。

「わ、私・・・」

次の言葉が出てこない。

「今すぐじゃなくていいのよ。ゆっくりあなたの中で答えを見つけてちょうだい。光也もあなたの幸せを願っているはずよ」


私の幸せってなんだろ。光也と一緒にいること?それとも・・・。

ねぇ、光也。

私はどうしたらいいの?

ねぇ、光也。教えてよ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ