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ポップキャンディー

作者: 瑠樹亜

ちょっとホラーです。

何がホラーかは探してみてください。

わかる人にはわかります。

大きな飴が入った瓶をもらった。瓶の色は下の方が赤く、上の方が緑色のグラデーションになっている。中の飴は赤、青、緑、紫の四色がある。なんでも、食べると色によって感情が変わるそうだ。


私のもの好きの母が誕生日に買ってきた。こんな気味の悪いものをもらっても食べる気がしない。原材料名の着色料のところには、赤3黄4…等々。体に悪そうなものばかり。食べる気がさらに失せた。


ただ疑問に思うのは、何故母はこんなものを買ってきたのだろうか…。そして製造者は何故こんなものを作ったのだろうか。食べると気分が変わる?馬鹿馬鹿しい。ただ単にどれも気分が悪くなるだけであろうに。変な売り文句を付けたものだ。変な売り文句が付いた変なものを買ってきた母も母だ。


世界にはこんなにも変な人が溢れているのだろうか?あまり外に出ないから私にはよく分からない。そうだ、母に訊いてみよう。いや、アレも変だから変なものを変と判断しないやもしれん。では誰に訊く?父はいないし、友達もオカルトやらなんやらが好きなやつしかいない。私の周りには変な人しかいないのか…。それとも本当にこの世界は変な者で溢れているのだろうか。それならそれで良いか。私の人生にはそれほど関係のあるものではないだろう。ではもし世界が変なら普通とはなんだ?変な世の中が普通と言うのなら、その普通も変なのだろうか。それなら世の中を変と思っている私はなんだ?世の中の普通以下。つまりつまらない人間ということだろうか。だから就職試験にも落ちたのだろうか。


悲しいことだ。逆に世の中で面白いと言われている人々はどうだろう。変なものに変と言われる。かなりの変人だ。不思議ちゃんよりも酷い。哀れなものだ。


いかんせん、私はつまらない人間だから世界を面白いと思わない。じゃあ何故私の人生は面白くないのだ?こんなにも不思議で変なものに溢れているというのに。つまらない人間から見たら、この世界が輝いて見えても可笑しくはないであろうに。それとも私がつまらなすぎて、面白いものもつまらなく見てしまうのか。それなら私はかなりの重症だ。


嗚呼、回りのものがつまらなく見えてくる。今まで面白かった筈のものまでつまらない。この飴もつまらない。つまらない物なら食べても私に害はないだろう。ただ色が鮮やかなだけの飴だ。ただの飴だから、きっと食べても何も起こるまい。もし何か起こっても、私にとってはつまらないことでしかない。


たとえ世界が消えようとも。

見つかりましたか?


ヒント:ある段落の頭文字を繋げてみよう。

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