Exit-final:決して出口の無い未来
篠崎は柿田の惨い遺体を発見して恐怖のあまりに相川を残して逃げてしまった。当然、呪われた悪魔の学校はそんな篠崎を良しとはしなかった…
俺は恐怖のあまり、相川を置いて逃げてしまった。
「の、の、呪われてる!!」
俺は、叫びながら必死で1階の職員室に身を隠した。
この際、相川がどうなろうと俺には関係ない。しかし、職員室のドアが開いて、
(ガラガラガラ)
「おーい、篠崎?いたら返事しろ!」
と、相川の声がしたので恐る恐る顔を出した。
「おい、そこにいたのか。」
と、言って俺に近付いてきた相川は元の相川では無かった…。
「会いたかったよ…篠崎。さぁ、一緒に行こうぜ…死の世界に!」
そう言って、相川はどこからか持ってきていたサーベルでいきなり俺に襲い掛ってきたのだ。
俺は避けたが遅く、左腕に切傷が出来てしまった。しかし、痛みを抑えながら必死で逃げた。
どこまでも追い掛けてくる狂人、相川。俺は血を流しながら逃げていたために、行方が解ってしまい、何度も遭遇し、何度も避ける。
しかし、到頭俺は2階の奥の音楽室に逃げ込んだために、もう逃げ場が無くなってしまった。
「フッ…憐れな奴。さっきの一振りで死ねば良かったものの…さぁ、処刑だ!」
でも、俺は最後まで諦めなかった。側にあった椅子を思いっきり窓に投げ、自分自身もサーベルを避けて投げられた椅子が窓に当たると同時に窓にショルダータックルを喰らわした。
“バリーン!!”
それは、一瞬の出来事だった。
心地よい音と砕け散るガラスと共に俺の身体は2階から一気に落ちて、勢い良く地面に叩き付けられた…。
俺はどうやら長い間生死の間を徨迷ったようで、漸く目が覚めた。
「う…うう…」
どうやら誰かに発見されて病院に運ばれたようだ。目が覚めた僕の周りには、家族と医師がいた。
「俺、生きているのですか?」
医師は、静かに言った。
「君は生きている。だが…」
「だが?」
俺は聞き返すのが怖かったが聞いた。
「君は発見された時は一人だった。話によると、君は柿田君の祖母の家に泊まりがけしていたみたいで残りの人達はあそこから発見されてない。」
えっ?!
「しかも、発見された時は廃校だった校舎が自然倒壊していた。」
倒壊…まさか…
「あの!」
必死だった。
「倒壊した校舎の中に俺の友達がいるんです!」
俺は必死に家族や医師に言った。
「まさか!?」
「本当です!アイツらを放って置けません。アイツらを助けて下さい!」
僕の発言で直ぐ様、倒壊した校舎で依然行方不明の3人の捜索が行われた。そして…数日後3人は無惨な姿で発見された。
越谷は、首にロープで巻き付けられたまま校舎の倒壊で四肢が潰れていた…。死因は圧死では無く窒息死だった。
柿田は、頭が潰れていて脳みそが散らばっている状態で発見。斬り刻まれた胴体は発見されなかった…。
相川は発見された時には、意識があったが持っていたサーベルで捜査員の前で自殺した…。
結果的に俺だけ生き残ってしまったのだが、俺は次第にノイローゼになり、人との面会を拒み続けた。
ついに、俺も生きているのにも限界に達し、見張りの居ない隙に病院の屋上に行った。
夏なのに風が気持ち良く吹いて涼しかった。
僕は呟いた。
「ゴメン、父さん、母さん。そして、越谷、柿田、相川…今逝くよそっちへ…」
最後は、死に対して何も抵抗は無かった。
俺はフェンスを乗り越えると、下のコンクリートへ飛び降りた…
今まで、読んで頂きましてありがとうございました。正直これは、短編系なのか長編系なのか自分でも解らなかったのですが、まあ…何とか終わらせました。