表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星間神話録ー十二星系物語ー  作者: 朧月
カルキノス星系編
5/14

5 初心者装備

すすで汚れた看板からはこの工房主が絶えず火をくべていることがわかる。

つまり実力派の鍛冶職人てことだ。

「よぉ、アルロー」

「あん?」

口の悪い頑固一徹の鍛冶師って感じだな。

「マトンの旦那じゃねえか。魔晶鉄を持ってきてくれたのか?」

「あぁ。南の魔晶鉄20キロ分だ」

「そんなにか?」

「悪いが魔鉄は10キロもねえぞ」

「手持ちも40万ドーラしかねえぞ」

「半分でも50万は欲しいしなぁ」

「そうだ。アルローこのユウセイに灰装武装を特注で作ってやってくれ」

「特注依頼ね。いいぞ」

「他はどうする?まぁ、探検家として活動できるくらいにな」

「了解した」

「初心者装備一式と10万ドーラでどうだ?」

「それでいい」

「じゃあミトンの旦那。夕方を回るころに回収しにきてくれや。1週間で全部作ってやらあ」

「その間、宿を取るなりゆっくりしといてくれ」

「ああ。それじゃあ」

と、踵を返しミトンさんが店の外に出て消えていく。


「さて、早速始めるか」

アルローさんに色々弄られたり採寸したりした。

何を作るのか聞いてみると、皮鎧とローブ、解体用の短剣と攻撃用の短剣、投げナイフ、中級の灰装武装を作るんだとか。

アルローさんは色々なことに精通していて鍛冶だけじゃなく、裁縫や細工までできるとか。

皮鎧はこの都市の近くに生息する砂漠大蜥蜴サンドリザードの皮を使った革鎧で、ローブは砂漠狼サンドウルフの毛皮、短剣はサンドウルフの牙を伸ばして作ったものを使うらしい。

それぞれに特殊な能力がつく事があるらしいけど、あまり出来ないらしい。


そんな話をしながら待っているとミトンさんが迎えに来てくれた。

その帰り道に俺が聞いたサンドリザードとサンドウルフについて聞いた。

サンドリザードは大型の肉食性の蜥蜴と聞いた。

大蠍おおさそり大砂貝おおすながいや屍肉なんかも食べる雑食性で硬い甲殻に阻まれて剣が通用しない剣士殺しとして恐れられているらしい。

また、サンドウルフは砂漠に隠れて6体くらいで狩りをする肉食性で砂の上を滑るように移動するらしい。

そんなこんなで1週間の時間が経った。

その間、この街で仕入れたり、売ったりを繰り返した。

なにもない日が1日だけあって、その日はデグンくんと色々お話して過ごした。

デクンくんは若干人見知りがあるらしくある程度は喋ってくれたけどそれ以降に壁を感じていたからデクンくんと話す時間で打ち解けられた。

彼は2年前からミトンさんの商隊に参加し旅をしているそうだ。

 

そこから、話が弾み、この大陸についての話と貨幣について教えてもらった。

この大陸では、中央にある神の都で発行されるカルキノス貨幣が使われるそうだ。銅貨、銀貨、金貨、大金貨とあっており、それぞれ10ドーラ、1,000ドーラ、10万ドーラ、1,000万ドーラになるらしい。

 

そうして、今日は装備の引取日だ。

アルローさんの店に行き、装備を見る。

まずは革鎧。 

砂のように所々キラキラとした砂のような黄色みがかった薄い灰色が俺の体の形に合わせて味のある革鎧に仕上がっている。

次に見せられたのはローブ。

サンドウルフの皮を使ったローブって聞いていたけど、砂サンドリザードみたいな色を予想していたのに灰色だ。

「サンドウルフは砂をかぶって砂漠に隠れるけど、その毛は灰色なんだよ」

デグンくんがそんな事を言う。

「そうなんだ。初めて知ったよ」

デグンくんは少し自信に満ちたような顔をしている。

次は解体用のナイフと攻撃用の短剣だ。 

剣身は全体が薄い琥珀色で剣先に行くほど白くなっている。

琥珀色は多分狼のエナメル質の色が出てるんだろう。

あとは魔鉄製の投げナイフが5本。

中級の灰装武装。

鉛色の腕輪のようなものが灰装武装なんだろう。

蟹のような紋章があしらわれている。

そういえばみんな手首に同じ紋章が光っているような。

この星の住民の特異性ってところか?

それぞれを装備して、腰に短剣を刺すためのベルトを付ける。

「おお、様になっているな」

「ユウセイさん、探検家って感じがする!」

探検家みたいって言われて悪い気はしないかな。

「よし、アルロー。南の魔晶鉄20キロだ」

ミトンさんが馬車の中から木箱4箱を取り出した。

馬車の中に入っていた木箱は鉄だったのか。

馬車の中で場所を占拠してるとしか思っていなかったけど、ここで売るためのだったんだな。

「受け取ったぞ。こっちが10万ドーラだ」

ジャラジャラとミトンさんは銀貨を数える。

キラキラ光っていて綺麗だ。

「10万ドーラちょうど確認した」

「じゃあ、ユウセイ、デグン。そろそろいくか」

「はい」

「わかった!」

俺達は、今回の旅の護衛を頼んでいた探検家ギルドに来ていた。

俺とデグンくんはまた置いてけぼりである。

あれ、意外とすぐミトンさんが戻ってきた。

「自己紹介するぞ」 

「俺は商隊のリーダーミトン。こいつらは俺の甥のデグンと小間使いのユウセイだ」

「私たちはCランク探検家「緑光の集い」です」

「このパーティーのリーダーをさせていただいていますゴラートと申します」


そうして、俺の新しい旅。

俺たちの新しい旅。

灰の都ゾンダを出て死の都レモートへの旅が始まろうとしていた。

「星間神話録〜十二星間物語〜」を観てくださりありがとうございます!

この話の続きが読みたい、面白かったりしたら評価ポイントやブックマークなどしてくれたら嬉しいです!

これからもよろしくお願いします。

投稿頻度等はX、活動報告をご覧ください。活動報告トップページにXアカウントのURLがありますのでよろしかったらそっちのフォローもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ