お姉様、ソレは私ではなくお姉様の婚約者ですわ
今日は学園の卒業パーティー
「お前みたいな悪女とは婚約を破棄する!!!」
そう声をあげたのはコルト伯爵家次男のレオン・コルト
そしてレオンの後ろに隠れるように居るのが平民のアリス
「浮気した挙句、婚約破棄ですって……???」
そして彼に婚約破棄された令嬢がセルネス伯爵家長女のメリーナ・セルネス
「浮気では無い!!そなたがアリスに嫉妬していじめるからだろう!!!婚約破棄されて当然だ!!!」
「私はいじめてなどおりません!それに例え私がいじめていたとしてもそれでなぜ妹のリーディアが婚約破棄されなければならないのですか!!!」
「はぁ?」
「お姉様」
「あぁ、可哀想なリーディア…でもこんな浮気男に嫁がなくて正解よ」
「お姉様」
「大丈夫よ!お姉様が素敵な男性を見つけてきてあげるわ!」
「お姉様」
「?どうしたの可愛い私のリーディア」
「ソレは私ではなくお姉様の婚約者様ですわ」
「へ?」
そして何故か私の婚約者だと勘違いしていたメリーナ・セルネスの妹でセルネス伯爵家次女の私、リーディア・セルネス
「ん?ごめんなさいリーディア、お姉様は状況がよく分からないわ」
「薄々そうではないかと思っておりましたが…お姉様は勘違いをされてらっしゃいます」
「勘違い…?」
「えぇ、レオン・コルトは私ではなくお姉様の婚約者なのです」
「レオン・コルトが、私の婚約者…?」
「はい、お姉様は何故彼が私の婚約者だと?」
「だって、お父様にリーディアに婚約者は居るのかと聞いたらレオン・コルトが婚約者だと…リーディアも一緒に居たでしょう?」
「あぁ、なるほど…そういう事でしたか」
「ちょっと待ってくれ!どういう事だ…??」
「あれは10年前、私達が8歳の時の話です。
私は婚約者というものを知った時、お姉様に聞いたのです、お姉様に婚約者は居るのかと。
そしたらお姉様は会ったことも名前も知らないが居ると言ったのです。
そして私はじゃあ私にもいるのかとお姉様に聞きました。お姉様は分からないと答えたのですがそこにお父様が来たのです。
そしてお姉様はリーディアに婚約者は居るのかと言う意味で婚約者は居るのか、名前はなんだとお父様に聞いたのです。
しかしお父様は来たばかりなのでメリーナに婚約者は居るのかと聞かれたと思いレオン・コルトが婚約者だと言ったのです。
私もお姉様は自分の婚約者のことを聞いたのだと思っておりましたので勘違いはしていませんでしたが
お姉様はレオン・コルトが私の婚約者だと10年間勘違いし続けていらしたのです。
なによりレオン・コルトはお姉様にドレスを贈ることもデートに誘うことも無かったのでお姉様の勘違いは続いていたのでしょう。」
「な、なんてこと…私ずっと勘違いしていたのね…」
「「………」」
レオンもアリスも放心している
「ところで、私の婚約者だと思っていたお姉様がアリスに嫉妬していじめていたというのは、おかしい話ではなくて?レオン・コルト」
「い、いやでもアリスがメリーナにいじめられたと…」
「ではあなたが見たわけではないと」
「だ、だがアリスが嘘をつくはずがない!」
「それはあなたの理想ですわ、このことはしっかりコルト伯爵家に伝えます。では行きましょう?お姉様」
「え?えぇ…」
「ふっ、中々面白い姉妹だと思わないか?」
「えぇ、是非我が国に欲しいですね」
この後姉妹が隣国の第一王子と公爵令息から求婚されるのはまた別のお話。




