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百鬼徒然  作者: 葛葉龍玄


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赤いチャンチャンコ──アカイチャンチャンコ──

 ちゃんちゃんこは昔からある袖なしの服。防寒具のイメージが強いだろう。

 そして、還暦のお祝いには赤いちゃんちゃんこと赤い帽子をかぶり、お祝いするのだ。


 しかし、同じ名前の妖怪がいる。

 いじめを苦に自殺した子が「赤いちゃんちゃんこ着せましょうか?」と訪ねてくる。

 もしこの問いに、着たい、着せてみろ、などと答えると、その人は首を切って殺され、その血の色で、赤いちゃんちゃんこを着ているような姿になるという。

様々が学校を渡り歩き、日本中にその恐怖をばらまいてきた。


 祖父曰く。

 妖怪なんてのは、強い怨念や未練や怒りが元でできるもの。

 一人の人間が怪異になることもあるだろう。

 しかし、そう簡単になるもんじゃねぇよ。

 同じ無念で死んだ人たちの負の感情が絡み合って怪異になるのさ。


 僕はその晩夢を見た。

 遥か昔に殺された少年。彼は首を切り裂かれ、赤いちゃんちゃんこを着ていたように血塗れになって殺された。

 またある女性は家族から虐待を受け、その家の富の発展のため、首を切られて死んだ。

 次々と。

 次々と殺されていく人たち。

 何千年の間に、何百人の数えきれない人たちが殺された。

 そしてこの世界に生まれたことすら恨む魂が、凝縮されていく。

 死んだままの姿で現実世界に実態を持ち、さらに犠牲者を出しながらまた、人の魂を飲み込んでいく。

 一般には自殺した可哀想な霊だと言われている。

 だから、霊能者たちはあくまでお経などで浄霊、もしくは成仏させようとしている。

 自殺した女の子の霊だけなら、それでいいかもしれないが。

 『これ』はどうする?

 ここまで大きくなった呪詛吐く赤いちゃんちゃんこは、すでに祟り神だ。

 そして僕は見てしまったのだ。

 夢の中で、奴の姿を。

 そして、聞いてしまったのだ。奴の質問を。

『赤い……ちゃんちゃんこ……着せましょうか?』

僕はまだこの問いに答えていない。

 着ないといえば逃してくれるのか?

 それとも……。


 今夜寝るのが怖い。

 今夜夢見るのが怖い。

 早く、早く、早く早くはやくはやくハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクッ!

 朝になれ!


 鳥の鳴き声が聞こえる。

 朝になったのかと思い、カーテンを開ける。

目の前が真っ赤になる。


『赤い……ちゃんちゃんこ……着せましょうか?』

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