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女郎蜘蛛──ジョロウグモ──
夢を夢だと自覚できる、明晰夢とかいう奴だろうか。
その中で、僕は今まであった事がないくらい綺麗な人に告白されていた。
しかし、僕は違和感を覚える。
こんな事があるはずがない、と。
でもこれは夢で、夢の中くらいそういう事があったとしてもいいのではないか、と思う自分もいる。
たかが夢。
されど夢。
僕が見る夢に一体なんの意味があるのか。
僕が断ると、女性は糸で僕を縛り付ける。
これか。
これが正体だ。
これは夢であって、怪異でもあるのだ。
僕はお腹に力をためて、起き上がる。
目を覚ますと、そこはいつもの自分の部屋。
時刻2時すぎ。
部屋の電気をつけても変わらない。
祖父曰く。
蜘蛛には気をつけろ。
奴らは益虫かもしれねぇが、立派な牙を持ってやがる。
それを人に向けないとは限らん。
ふと足元を見ると、大きな女郎蜘蛛がいた。
僕は優しくティッシュで包むと、外に逃がしてやった。
が。
それから何度も、この蜘蛛の作り出す夢に悩まされることになる。




