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百鬼徒然  作者: 葛葉龍玄


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舞首──マイクビ──

最近、大学で噂を聞く様になった怪異。そんな面白いものをオカルト研究会が見逃すはずもなく、なぜか僕にまで話が来た。

オカ研でもなんでもないんだけどなぁ。


なんでも、大学近くの山の中で、宙を舞い、お互いを罵り合う男たちの首が目撃されたというのだ。


喧嘩をする3人の男の首。

確か舞首といったか。

喧嘩のはて、3人が3人ともお互いに首をはね、死して首だけになってもまだ喧嘩を続けているということだ。


祖父曰く。

人間が元の怪異ってやつは、恨み辛み怨恨なんてのが定石だが、これらは時間が経つほどに薄れていき、やがては成仏するもんだ。

しかし、何百年という単位でもまだ存在する怪異がいる。

どれだけの負の感情を背負ったんだろうな。


そして夜。

オカ研のメンバーとその舞首がでると言われている山の中に来ていた。

時間は0時。



5人くらいが見守る中、それは現れた。

3人の男の首。

互いに罵り合いながら、そらを舞う首。


ーー何も起こらないな、やっぱりガセだったのか。

一人が言う。

他のメンバーもうなづいている。



見えて、ない……?

その時、背筋が凍る。

オカ研のメンバーに気を取られてるうちに、舞首は目の前まで来ていた。


これは……。

喧嘩で殺しあったなんて生易しいものじゃない!

頭にある情景が浮かんでくる。

3人が死んだ時のものか。



3人は地面に埋められ首だけが地面から出ているの。

その状況で生かされているのだ。

飢饉、不作、自然災害。



それらは神の怒りと思われ、それを鎮めるために、生贄にされたのだ。

村でも疎まれていたこの3人が選ばれた。

そして、この3人が飢えて死ぬ寸前に首を刎ねる。



3人の首は、空腹を満たそうと手近なものに食らいついた。

それがお互いの首。



3人が3人とも、互いの首に噛み付いたところで生き絶える。

だからこそ、何百年も経った今でもこれだけの怪異として成り立つほどの怨念があるのだ!


真に恐ろしいのは、未だに続くこの怪異か。

それとも、その怪異を生み出し、彼らを生贄にした村人たちなのか。

僕にはどちらも恐ろしいものでしかなかった。




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