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百鬼徒然  作者: 葛葉龍玄


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38/44

子泣き──コナキ──

夜。

コンビニの帰り道。


近道をしようとおもって、公園を抜けようとした。

その薄暗い公園で、赤ん坊の泣き声がするのだ。



そして、それをあやしているであろう母親の姿。

子供が夜泣きして、あやすために外に出ているのか、とおもった。



その時はそれで済んだのだが、数日後。

近所でその親子のことが話題になっていた。



声をかけても無視される、とか。

子供をあやす様に頼まれる、とか。

いつのまにかいなくなる、とか。

あまりいい噂を聞かなかった。


祖父曰く。

何体かセットになってやって来る怪異はいる。

多いのは親子か。

ただ、どっちが怪異なのかわかったもんじゃねぇ。

もしかしたらーー。


そして夜。

僕は何となくいや感じがして、公園を避ける様にしていたのだが、ダメだった。

行く先には泣いている子供とあやす母親。

この道を通らないと家には帰れない。


僕は、意を決して歩き出す。

ーーこの子をあやしてくれませんか。

ダメだ、受け取ってはいけない。

ーーお願いします。

気がつくと、子供が腕の中にいる。

ーー産まなければ、よかった。

そしてそれは、少しずつ重さを増していく。

腕の中にいるのは、子供のような大きさの老人。

ーー妖の子……。この子を産まなければ。

母の声が聞こえてくる。

この子をは人間から生まれたのに、人間の子ではないのか?


だからこそ、母は怪異となり、その子も妖となり現世において人に仇名してしてるというのか?

忌子、とでも言うのだろうか?

産まれながらにして、この子供は人に害をなすのだ。


だめだ、耐えられる重さではない!

本来なら持つこともできない重さに達しているのに、落とすこともできない。


あまりの重さに膝をつく。

ーーその子を、よろしくお願いします。

そういうと、女性は消えていった。

と、同時に子供の重さも消え去った。


手の中に収まっていた赤ん坊も消えていたのだ。

そして、僕の手の中には、いつか手に入れたさるぼぼ人形があった。

これに救われたのか……。


子供を疎んだ母親も、産まなければよかったと言われた子供も。

どちらもが怪異だったのだ。


しかし。

僕が感じたあの重さは、母と子、二人の命の重さだったのかもしれない。

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