子泣き──コナキ──
夜。
コンビニの帰り道。
近道をしようとおもって、公園を抜けようとした。
その薄暗い公園で、赤ん坊の泣き声がするのだ。
そして、それをあやしているであろう母親の姿。
子供が夜泣きして、あやすために外に出ているのか、とおもった。
その時はそれで済んだのだが、数日後。
近所でその親子のことが話題になっていた。
声をかけても無視される、とか。
子供をあやす様に頼まれる、とか。
いつのまにかいなくなる、とか。
あまりいい噂を聞かなかった。
祖父曰く。
何体かセットになってやって来る怪異はいる。
多いのは親子か。
ただ、どっちが怪異なのかわかったもんじゃねぇ。
もしかしたらーー。
そして夜。
僕は何となくいや感じがして、公園を避ける様にしていたのだが、ダメだった。
行く先には泣いている子供とあやす母親。
この道を通らないと家には帰れない。
僕は、意を決して歩き出す。
ーーこの子をあやしてくれませんか。
ダメだ、受け取ってはいけない。
ーーお願いします。
気がつくと、子供が腕の中にいる。
ーー産まなければ、よかった。
そしてそれは、少しずつ重さを増していく。
腕の中にいるのは、子供のような大きさの老人。
ーー妖の子……。この子を産まなければ。
母の声が聞こえてくる。
この子をは人間から生まれたのに、人間の子ではないのか?
だからこそ、母は怪異となり、その子も妖となり現世において人に仇名してしてるというのか?
忌子、とでも言うのだろうか?
産まれながらにして、この子供は人に害をなすのだ。
だめだ、耐えられる重さではない!
本来なら持つこともできない重さに達しているのに、落とすこともできない。
あまりの重さに膝をつく。
ーーその子を、よろしくお願いします。
そういうと、女性は消えていった。
と、同時に子供の重さも消え去った。
手の中に収まっていた赤ん坊も消えていたのだ。
そして、僕の手の中には、いつか手に入れたさるぼぼ人形があった。
これに救われたのか……。
子供を疎んだ母親も、産まなければよかったと言われた子供も。
どちらもが怪異だったのだ。
しかし。
僕が感じたあの重さは、母と子、二人の命の重さだったのかもしれない。




