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百鬼徒然  作者: 葛葉幸一
28/37

─のっぺらぼう─

夢を見ていた。

小さい頃の夢。

その中で僕は、かごめかごめをやっていて、真ん中に座り、目隠しをして、歌をうたう。


かごめかごめ、籠の中の鳥は

いついつ出やる

夜明けの晩に

鶴と亀が滑った

後ろの正面、だあれ?


大人になった今は、この歌詞が流産してしまった人の歌である、という説を知っている。

しかし、子供の頃はそんなことも知らずに、遊んでいた。


祖父曰く。

真の闇って奴が、どんなものか知ってるか?

それはな、オメェが目を閉じてる時だ。

歌ってる奴は本当に友達か?

目を閉じてる時だけ、別のナニかになっちまってても、気付かねぇだろ。

それが闇さ。


夢の中で遊びは続く。

後ろの正面だあれ?

声が。

一人分多いような気がする。

聞き間違いか?

だって目を閉じてる時は闇なのだから、目を開けるまで真実はわからない。

だから。

目を開ける。

◯◯くん!

子供の頃の僕には、恐怖心はない。

しかし、成長した僕には恐怖心しかない。


答えて目を開ける。

そこには、誰もいなかった。

僕だけがポツン、と立っていた。

子供の頃の僕の後ろ姿に、声をかける。

子供の頃の僕がこちらを振り向く。

みてはいけない。

そうわかっているのに。


振り向いた僕には顔が。

ない。

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