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百鬼徒然  作者: 葛葉幸一
13/37

─轆轤首─

相談があるんだけど…。

放課後、大学近くの喫茶店にいた僕に、彼女らは話しかけてきた。

なんでも。

自分の首が伸びるというのだ。


寝てる時に限らず、講義中や部屋で勉強してる時など、場所、時間を問わないらしい。

なぜ僕に?という疑問もあった。

が、なぜか大学で僕が霊能力者だという噂が広がっているらしい。


誰がそんな噂を……。

それはいいとして、僕は彼女らの良くない噂も耳にしている。

イジメをしている、と。

好きでもない男に告白して、舞い上がる奴を、嘘でしたー、と言って馬鹿にしたり。

漫研のオタク達を蔑んだりしていると。


多分今回も自称霊能力者である僕のことを馬鹿にしにきたのであろう。

だから、僕は見えたままのことを彼女たちに伝える。


貴方は幽霊に取り憑かれたりなんてしていない。

精神の病だ、と。

スマホで「不思議の国のアリス症候群」というのを検索して見せてやった。

それは、自分以外のものが、巨大化して見えてしまう、幻覚の一種だ。

そういった類の病だ、と断言した。

彼女らは、わかりづらく舌打ちをして、挨拶をして去っていった。


祖父に言われた言葉が、脳裏をよぎる。

因果応報を知ってるか?自分のしたこと(原因)には、必ずつけ(結果)が生じる。

それが巡り巡って自分の所に返ってくるのさ。

いいことにつけ、悪いことにつけ、自分か、自分が一番大切だ、と思う者に返ってきやがる。


きっと、彼女たちもそのうち悪行の業が返ってくるのだろう。


それから数日。

彼女らの1人が亡くなった。

混雑に巻き込まれる、電車に轢かれたのだ。

ちょうど首を切断するように電車にひかれた。

のだが。

首の皮だけは一枚繋がっていたという。

まるで、轆轤首のように。

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