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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第四章】

【第四章】

 全土を見渡すと、司隷州を南北から挟む形で、穎川州と河洛州があり、それぞれに接する形で南部三州(三輔・荊襄・淮揚)と北部三州(関内・河朔・淮海)がある。つまり、南部三州は穎川州を、北部三州は河洛州を経由して、司隷を目指すことなる。

 幹部会は南部北部それぞれに密偵を放ち、情報を集め、戦力を分析した。


「我らは、河朔を中心に淮海に戦力を集め、関内は防衛。一方で南部は、三輔・荊襄・淮揚に均等に戦力をおいている。」

「言い換えるなら、我ら北部は魚鱗の陣。南部は鶴翼の陣というわけか。」

「うむ。南部はジリジリと三方向から穎川に迫ろうとしている。後々の安定支配を考えているのだろう。」

「では。我らは。」

「さよう、魚鱗の陣である以上は、速さが求められる。南部より早く中央突破をせねば、出遅れて押し返されてしまう。」

「ならば、農民の如くのんびりと富国をしている場合ではありませんな。」

「申される通りじゃ。いち早く河洛に入り、その豊かな資源を得て、そこから富国を行う。富国を進めながら、さらなる強兵をすすめ、南軍より先に、司隷を目指さねば。」


 今は、苦しいだろう。

 資源枯渇に悩みながらの強兵は、困難を極め、士気を下げてしまいがちである。


 しかし、全体を考えると、越えねばならぬ「壁」である。

 今、目先の小さな安定を求めるのではなく、力をつけて後々に大きな利益を得る。これが北軍の戦略、いや、北軍が取らなければならない戦略なのである。


「皆に、この全体戦略を伝えよう。」

「わかってもらえるだろうか。」

「皆を、信じよう。信じるしかない。」

「諸将が同じ想いを共有し、同じ方向に進んでくれさえすれば、それこそが大きな力になる。」

「ですな。さもなくば、後日必ず敗戦の苦渋を舐めるは必定。」


 組織が力を持つための条件がある。

 目標を共有すること。方策を共有すること。そして支え合い想いを共有すること。


 絆こそが最高の戦略。皆が心を一つに。その実現が、究極の組織経営である。


【章末】


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