【第一章】挙兵
【第一章】挙兵
先の季節で手を携えて戦った、戦祈と勝願が合流して、戦勝祈願という同盟になった。そこへ、よしみのある古い戦友たちが合流した。その総数は200に迫る。
初平元年、新生・戦勝祈願も挙兵する。挙兵に先立って、盟主に龍鬼、副盟主に惹州公。外交官に羅宗。指揮官に破鉄をすえる。官吏として、錚々たる智将・猛将が名を連ね、脇を固める。
最初の戦略は、外交である。諸悪の根源・董卓を倒すための挙兵ではあるが、それぞれの勢力・同盟に、それぞれの思惑がある。それらを乗り越え、大願を成就するには、外交戦略は不可欠である。河朔を拠点と定めた同盟・戦勝祈願は、同じく河朔を拠点とする同盟・百家涼藍と友好を結んだ。州内の小競り合いを、防ぐことに成功した。
主城周りの土地を開拓し、部隊を組み、兵を鍛え、それぞれが懸命に自強に努めた。新しい土地での初期の活動は、とても歯痒いものがある。それでも戦勝祈願の諸将は、コツコツとそして懸命に努力を重ねた。
「まず基点となる城を、抑えていきましょうか。」
指揮官・破鉄から指示書が諸将に送られる。
「明日、強度4の中都、強度5の曲梁を落とす。兵の準備も充分ではないと思うが、城を抑えることで、同盟としての財力や、伴って諸将に分配する資源も増える。苦中突破。諸将、合力を!」
「おおお。今期、初の攻城ですな。」
「我が部隊がどれほど活躍できるか、良い試しとなりますな。」
「苦しいのは皆、同じじゃ。しかし兵を出そう。力を合わせて達成する。高まる結束がそこにある。」
「そのとおりですな。私は攻城戦が一番好きです。皆で一つになって手に汗握りながら結果を待つ。落城させた時の達成感は癖になります。」
「皆がその思いを共有し、それを支えに自強に臨む。その繰り返しで同盟が育つ。」
「乱世ではありますが、自分が孤独ではないという実感が、何よりの勇気になりますね。」
黙々と自分とのみ向き合い自強を重ねた諸将にとって、仲間と共に、力を試せる事は喜びであった。
【章末】