三國志真戦 シーズン8「挙兵討伐」〜同盟・戦勝祈願の記録
義戦之武(シーズン8「挙兵討伐」〜同盟・戦勝祈願の記録)
戦争において、正義は双方にあり、その正義は相反する事がほとんどだ。その相反こそが争いの根源である。戦闘中の判断・行為についても、一方にとっては善意・善行であっても、他方にとっては悪意・悪行であろう。
長くこの真戦にまつわる物語を紡ぐ筆者も、そのことは重々承知している。争いながらも互いに敬意を払うのが武士道であり騎士道、戦う者の義であると信じる身ではあるが、双方の正義を等しく見ることは困難である。
ついては、後の世で我が拙書に触れる方々には、一方の視点で紡がれる物語であり、絶対正義の書ではない事を踏まえ、読み物として楽しんでいただく事を、乞い願う。
【序章】
中平年間、洛陽の実権を握り専横を極めた董卓。初平元年。その暴政を打ち破らんと全土の諸将が連合を組んだ。一方で董卓は、天下無双・呂布を部下に引き入れ虎牢関に布陣させた。呂布を破り、虎牢関を抜き、董卓を誅伐する。その思いを胸に、同盟・戦勝祈願も兵を上げた。
戦勝祈願。二つの同盟が合流して新しい季節を迎えようとしていた。
人徳の者。知略の者。外交・指揮に優れた者たち。智将や猛将。富国経営に優れた者。和を成すに長けた者。そして、遠い過去に暴嵐龍と呼ばれた老将。200に迫る者たちが集い、今、ここに挙兵する。
漢室を正し、民を安んじる。そのための義戦。
その義の中にあって、武人として、どこまで名を成す事ができるか。それぞれの勢力も胸中に「董卓誅滅後」への魂胆があろう。その荒波を乗り越え、義を通し抜く。
武を持って天下に覇を競わん。諸将の目に戦意がこみ上げる。
【章末】