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女はあざとくカッコよく  作者: 黒楓
2/10

② ゲージ

第2話は 茜(Matilda)視点です。


直接的な表現をなるだけ抑えたので、意味わかるかしら……(^^;)


あと、茜の“人となり”を鑑み、難しい漢字の使用も抑えました(*^^)v


イラストは


“茜”ちゃんです。




挿絵(By みてみん)



。。。。。。。。。。




今回は“茜”視点です。





「駅ナカのクリーニング店なら8時から開いているから」

そう言って彼女(マサ子さん)は私のブレザー、カーディガン、リボン、ブラウス、スカート…つまり制服一式をショ袋に突っ込んだ。


「あと…大したモノはないけど、適当に食べてて、ただ火の用心だけは徹底してね」


私にベッドを譲ったせいだろうか? これから出勤のマサ子さんの体調はいまいちのようだ。


まったく、私を自分の部屋に通してからのこの人の態度はやたら親切で、正直なところ気味が悪い。

そんな風に扱われると、私も“女の子”になれるかもしれないと錯覚してしまう。


もっとも、こう思ってしまうのは、ここのお風呂場の香りの良いきれいなせっけんやシャンプーで私が磨かれたせいなのかもしれない……



私がシャワーを浴びるのは大抵、“(オトコ)”の家で……()()()にあるのは、せいぜいボディーソープ。


いつだったか、“ハゲ用”のシャンプーでカラダを洗った事がある。


その後、()()()()()()()()()()を舐められた時に


「なんか懐かしいにおいがする」と耳元でささやかれて


私は、こみ上げて来る笑いを抑えるのに必死だった。


こんなヤツらは基本、バカなので……

少しの事に目をつぶれば

サクッと終わって

『毎度あり!』だ。



マサ子さんがドアを閉める音がして


私は本格的にベッドから出る。



下着は……


()は私には合わないので…


下だけ借りた。


今、私の下着は……バッグの中にあった物も含め、残らず洗濯機の中をグルグルしているから。


その代わりにと

マサ子さんが布団の上に置いてくれたのは

薄いグレーのテラテラ光るシルクのキャミだった。


これだと、()が擦れても痛くないらしい。


こんなことをオトナ女子は考えるのかと、私は別の笑いのツボにはまる。


とにかく、さっきエアコンのスイッチを入れて部屋を温めておいたので

私はキャミとショーツで棲息することにした。


 カップ麺に沸かしたお湯を注いでフタの上に割り箸を置き、まずは冷蔵庫から()()()()をする。


冷凍庫の中に、ラップに包まれた板がある。


やっぱり、このラップの中身

お札だよね


次はトイレ……


私はゴミ箱に目をやる


……トイレのガサ入れは止めておこう



しかし隠し場所にはオトコもオンナもないなあ~



押し入れに首を突っ込むと

隠された物が次々と出て来た


なんだ?

このディスク?


メモが付いてる……

古い??


『これでも見て、勉強したら♡(#^.^#)』

って、

何だ?


テレビ点けて

その置き台になっているレコーダーにディスク突っ込んでみた。


いきなり始まったビデオには

わざとらしい男女の芝居が映し出されている


ああ、

“AV”ってヤツか……


 カップラーメンを食べ終わった私はビデオを流しっぱなしにして押入れの探索を続ける。


手前の座布団を取り除くと、押入れの奥の方に向かって手が入る路が出来ていて、その奥にハードカバーのノートが立てかけてあった。


ズズズ!と取り出すと日記帳のようだ。


しかし表紙は、ほこりっぽく無く、たびたび手に取っている感じ


パラパラと開くと裏面がキジの柄の一万円札と…平安模様?の二千円札がはさんである


()()()ビンゴ!!


あと、何?

このブサメンの写真!


挟んであるページの文字を読んでみる


えっ??!


これって!……


()()()な日記??


なんだかテレビも()()()()言い出したし…


マジかよ……


これなんて読むの?


悦ぶ 弄ぶ


スマホで『カメラ検索』すると…


ヨロコブ モテアソブ と出る 


どういう意味??

調べてみる。


ウヘェ!!

オネエさん! ヤバっ!!


私はいったん、目を離しかけたが


こんな女子向け?AVビデオもえっちな日記も お金に転がるネタになるかも、とマジメに取り組むことにした。



でも


なんだか


()()()()()()()があったりして


イタイよ オネエさん


こんなブサメンが……


()()()??


そこには

一部始終が

克明に

書かれていた。


汚れたページは

きっと

お気に入り


だってしおり代わりにレシートまで挟んである、割と最近の日付の……


逆に終わりの方のページは

ほとんど手付かず


カノジョ アタマの中で

こんな、カネにならないブサメンとのえっちを

今流れているビデオみたいに

何回、再生を繰り返したんだろう


悲しくてイタイ無駄な事


ワタシにはそう思えるのだけど


えっ??


でも、昨日、オネエさん

()()()って言ってたよね


じゃあ()()()()は解消したんじゃないの?



なのに私にインネンつけて来たり

突然泣いたりして


なんなの??

理由分かんない!


ひょっとしたら“パパ活”でお金取れなかったとか??



あれ

涙??


何で私まで

泣いてんの??


()()()()声が流れている

この部屋で……



いけね!


涙で

カラコンずれた


洗お!!




ワタシ、カラコン洗いながら

少なくなってきた洗浄液を


このオネエさんのお金で買おうと

考えていた。



--------------------------------------------------------------------


 “ガサ入れ”がバレないように慎重に片付けて、オネエさんの帰りを待っている。


いつもの“パパ活”サイトをONにしたら

アポメッセが次々と入って来る。


今月は“安住の地”の為の稼ぎのノルマをまだ達成していない。

“ヤドカリ物件”も押さえなきゃだし、早く()()()()を取り返して、出て行かねば



そんな算段をしているとガチャンと!マンションのドアが開いて


オネエさんが帰って来た


「コンビニでお弁当買ってきた。食べるでしょ?」


とテーブルの上にレジ袋を置いたけれど、オネエさん自身はうずくまってしまった。


「大丈夫?」と聞くと


「ちょっとトイレ」

と言いつつ、オネエさんはヨロヨロと立ち上がり

トイレにこもってしまった。



「二日酔い?」

昔、母さんと暮らしていた時にも……こんな事が時々あったなあ……



ようやく“波”が引いたのかトイレからよろけ出てきたオネエさんの顔は真っ青で、酸っぱいニオイが鼻についた。


「オネエさん、その顔、ヤバいよ! 病院行かなきゃ!」


「行かない……」


「どうして?! オネエさんなら問題なく行けるでしょ?!」


「病院はダメ!行きたくないの! ゴメンね。今日はベッドで寝かせて」とオネエさんは布団の中にモゾモゾ潜り込もうとする。


「ダメダメダメ、ワタシ、手伝うからせめてシャワー浴びよ!!」


()()()()になろうとするオネエさんをやっとのことで引っ張り出し、風呂場へ連行する。


つくづく、キャミ、ショーツ姿で居て良かった!!


シャワーを出しっぱなしにして湯温を確かめてから


昔、母さんにやった様にオネエさんの服を脱がせて、抱きかかえてバスルームに入る。


“あの頃”より楽にできるのは、きっと私の背が伸びたからだろう。


「洗面器、2個あるから気持ち悪くなったらどんどん吐いて! かわりばんこにトイレへ流しに行くから」


実際は一度トイレに流しに行っただけで済んで、私はパジャマを着せてオネエさんをベッドに寝かせた。


さっき冷蔵庫をガサ入れした時にもイオン飲料は見当たらなかったので、私は氷をひとかけらつまんでオネエさんのくちびるに当てた。


「舐められそうだったら舌出して」


オネエさんのくちびるが少し開いて舌が覗けたので私は氷を滑らせた。


「ちょっとドラックストア行って来る。オネエさんのブルゾン貸してね」


私はドラックストアで、二日酔いの吐き気止めにイオン飲料にお粥を……冷凍庫から失敬した現ナマで買い、急ぎ戻った。


ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!

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