表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/77

5 『リディオとラファエル』

 ドアの前に立っていたのは、二人の少年だった。


「ただいまー! ロメオ兄ちゃん! レオーネ兄ちゃん!」

「ただいま帰りました」


 ロメオの弟・狩合璃照緒(カリア・リディオ)が元気溌剌、もう一人の少年・或縁丹等笛瑠アルベリーニ・ラファエルはクールな印象である。この四人の中で血の繋がりがあるのは、ロメオとリディオの兄弟だけだ。

 二人は同い年で、今年十歳になる。まだ背も小さく、ロメオとリディオは十歳離れている。

 優しい微笑でロメオが返す。


「おかえり。リディオ、ラファエル」

「二人共おかえり。うれしそうだな」


 レオーネがそう言うと、リディオがしゃべり出す。


「ロメオ兄ちゃんに遊んでもらうために急いで帰ってきたんだぞ!」

「相変わらず、リディオはロメオが大好きだな」

「おう!」


 おかしそうに話すレオーネと楽しげなリディオ。それを横で見ながら、ラファエルは少年らしくないため息をつく。


「ロメオさんが忙しいかもしれないって考えはないんだね、リディオは」

「そっか! ロメオ兄ちゃんはいつも忙しいんだった! ロメオ兄ちゃん! 遊べるか?」


 リディオに詰め寄られて、ロメオはリディオの頭に手をやった。


「今は大丈夫だ」

「やったあああああ!」


 両手をあげて叫ぶリディオを、ラファエルは迷惑そうに呆れた顔で一瞥した。


「なにする?」

「じゃあ! じゃあ! 戦おう! おれも早く強くなってロメオ兄ちゃんみたいにヴァレン様たちの役に立ちたいんだぞ!」

「わかった。じゃあやるか」

「おう!」


 ロメオがレオーネが見返り、


「レオーネもやらないか?」


 これにレオーネがひらりと手を振った。


「今日のところは遠慮しておく。ラファエルはどうする?」

「ボクもいいです。読みたい本もあるので」


 ラファエルもそう答えると、リディオが元気に声をかけた。


「じゃあ行ってくるぞー!」


 かくして、ロメオとリディオの兄弟は外に出た。

 それを見送り、ラファエルがつぶやくように聞いた。


「レオーネさん。今日は『ASTRA(アストラ)』の仕事はいいんですか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ