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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

高卒蟹漁師の転生復讐譚~深海でタラバ蟹に引き裂かれて死んだ俺、最強のザリガニとして転生する~

作者: スライムから学ぶ量子力学

「なんでこんな仕事してるんだろうなぁ……」


「先輩、そんな事言ったって僕ら高卒につける仕事なんかこれ位しかないんすよ」


「そんな事言ったってな……」


はぁ、なんでこんな仕事なんかについているんだろう。

こんな事になるなら高校でちゃんと勉強しておけば良かった……。


───


俺の名前は磯谷雅太郎、今年で26歳になる中堅蟹漁師だ。

ちなみに蟹漁師ってのは、毎日毎日海に潜っては国の元首様のために蟹をとる専属部隊のこと。


一昔前までは養殖が盛んだったのだが、なんでも元首様が代替わりしたとかで、「朕は新鮮な蟹が食べたいのじゃ」とかなんとかわがままごねやがって、俺らみたいな高卒のバカは軍隊に入るか蟹漁師になるかしか道がなくなったらしい。



まったくなにしてんだよクソガキ。



「せんぱーい、出陣の時間ですよー今日は噂のA級蟹軍隊(マスクメロンマン)の漁ですよー置いてきますよー」


「うるせぇよ今行くよわかってんだよ黙れよ童貞」


「は?お前もだろうがアホ、早く行くぞカス」



はぁ……。

なんでここはこんな低レベルな人間しかいないんだ……。

あ、俺もか。



俺らはしょせん高卒だ、高卒の体動かす事にしか興味ないバカにはこんな事しかできない。

正確には右手だが。


こうみえても俺の学生時代はわりと充実していた。


部活では全国大会に出場してるし、バレー部のかわいい彼女もいた。

学園内では有名だったもんだ、バスケ部のエースで、バレー部のエースと付き合ってるイケメン天才ストライカーってな。



それが今じゃこんなざまだ。

部活に打ち込みすぎたあまり、引退してからの反動で、元から悪かった成績が最底辺に落ちた。


エースストライカーの肩書きを失った俺は、それでもなんとかなると思ってた。


だってかわいい彼女がいたからね。


半年で有名大学に合格して、上場一流企業に入社、学生時代の彼女と毎日いちゃこら幸せな生活をする、エースストライカーの俺にはそれができる、そんな妄想をしたもんだ。


しかし現実はそううまくなかった。


彼女は某有名大学の経済学部に現役合格、対する俺は大学全落ち、浪人するもまたもや全落ち。


彼女には愛想つかされて「あなたがエースストライカーなのがバスケだけで助かったわ」とか言われて捨てられた。


なんて人生だ……。


高3の時に彼女とした「一緒に合格しようね!」なんて約束事も、その価値はチリ以下に落ちた。


そう、今ちょうどここにいる人間たちみたいにね。



「あぁ、な○う小説みてぇに転生してチートで無双して女の子に囲まれてぇ……」



「磯谷、早く船に乗り込め、出陣待機時間はとっくに過ぎてるぞ」



「へぁあいぃ」



「なんだその返事の仕方は貴様ナメてるのか?

 罰として現場作業だ、人一倍働くんだな高卒野郎」


うるせぇよ童貞上官、蟹とヤっとけ。


あぁ、この世界本当に理不尽だ。

クソガキ、まじ許さねぇからな。



───


「隊長!

 潜水蟹漁攻撃艦(マスクメロンパン3号)がタカアシ蟹がなげた大量の毛ガニによって半壊です!!」


「構うな!!

 ボスを殺せ!!」


「先輩!

 こいつら狂暴っす!

 こいつ噂のデスキャンサー軍じゃないすか!?」


「なんだよデスキャンサーって聞いたことねぇよんなもん」


なんだよそれ蟹に殺される人間とかいんの?



「先輩助けてくださ、いっ、せんぱい!」


「なんだよ……、え?」



俺のかわいい後輩が2メートルくらいある巨大な蟹に囲まれていた。



なんだこれ、なんだこの意味不明な光景。

つーかこれ次俺の番じゃん。



「隊員全員につぐ!

 逃げるぞバカども!

 高卒の体力ナメんな!!!」


俺は叫んで必死に逃げた、逃げた、逃げた。


「先輩たす……ゴハッ__」


あぁ、後輩、お前の勇気には敬服したよ、お前はいいやつだったって家族には伝えといてやるからな、っていってぇ!!!



「なんだこいつ!!」


こいつはズワイ蟹!??

なんでこの海域にいるんだ!?


「うっ──」


バカでかい蟹が俺の足に爪を突き刺していた。



(デスキャンサー!?!?)



やばい、いよいよこれはやばい。

大量のズワイ蟹が次々やってくる。

やばいやばいやばい___。



ドスッ……。



「────ッ!!」



その瞬間、俺の視界が蟹色に染まった。


体貫かれ大量のズワイ蟹に突き刺された俺は、大量の蟹に囲まれながら、それでも逃げ続けた。



「総員!!生きてるか!!?」



返事がなかった。

しばらくの沈黙が続き、次は俺の番なのだと悟る。


くそ、どうすればいいんだ。

「蟹ごときが調子に乗りやがって……!!」



食らえ生物、ここが貴様らの墓場───


「うぎゃああひぬんぼすこれかれ……ゴハッ」



___



ズワイ蟹の群れのボス、部下を束ねるタラバ蟹。


通称タバネ蟹デスキャンサー


そいつが俺の腹を突き刺し、仲間のズワイ蟹が俺の体を引き裂いていくのを、ボヤけていく視界と、遠ざかる意識で、ずっと見てた、ずっと、ずっと__。



ここまでよんで頂き心から嬉しく思います。

初投稿ですが、高評価が少しでもつきましたら続きを投稿していきますのでどうか評価よろしくお願いします。

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