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1.はじめましてですよね?

つまらない、普通の人生になるはずだった。だけど、もうそんなことはない。

今の僕ならなんでもできる。たぶん。


ソファーに寝そべり、今日の出来事を思い返す。

夢じゃないだろうか。僕にこんな事があっていいのだろうか。寝て明日起きたらなかったことにならないか。

時佐じさ みなと。そこらじゅうにたくさんいるだろう高校生3年生、つまり受験生だ。

勉強ができるわけでもないし、人と仲良くできるわけでもない。

友達といえる人は3年前のあのときから存在しない。

それどころかクラスではかなり浮いている。最初の頃はちょっと無理して仲良くしようとして空気の読めないやつ認定された。

家庭内の空気も非常に悪い。できれば家にいたくない。

もうこれくらいにしておこうか。

つまり僕に居場所はない。まっている人もない。必要としてくれる人もいない。

家も、学校も、友達も。

日常が楽しくない。そゆこと。うん、そういうことだ。

だけど明確な変化が訪れた、3時間前。


コンビニで、今日の晩飯の弁当を買った帰り道。

明日も学校と塾か。深いため息。死にたくはないけどこの日常から消えたいよ。

何もめんどくさいことはせず、ただアニメやラノベを読んで過ごしたい。

「おい、君をよんでいるんだが」

え?僕を呼んでいたのか。知らない人だったから他の人間を呼んでいるのかとおもったよ。

で、なにか用か?その白い軽トラに乗った色々と充実してそうなイケメン。イケメンが乗ったら軽トラでもスポーツカーに見えてくるわ。くそっ。

「えっと...なにか用っすか?」

「僕は君を助けに来たんだ」

は?これはイケメンがオタクくんに言うセリフなのか?新たな手法の詐欺だろうか。めんどくさいやつだな。

「壺なら買いませんよ、間に合ってます。さよなら」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ、君からお金をとる気はない。むしろ素晴らしいものを提供してあげるんだ。感謝しなさい」

「え...あの...」

まあいいや。どうせ現在所持金316円と弁当、なにされたって僕を取り巻く状況よりはいいだろ。もうどうにでもなっちまえ。しかしコミュ障発動。なに言えばいいの。助けに来たなら今も助けて。

「ははっ、相変わらずの様子だな。君にあえて嬉しいよ。僕はひいらぎっていうんだ、よろしく。立ち話もなんだから助手席に来いよ」

柊さんは満面の笑みを浮かべた。あんた何者。

「え、えっと、どこかでお会いしましたっけ...」

「いや、僕が君に会うのは初めてだよ?はじめまして。ふつつか者ですがよろしくお願いいたします」

「......冗談?」

「うん、そうだよ?(にぱっ)」

はぐらかされた。話す気はないらしい。諦めよう、イケメンは苦手だ。

「念願の逢瀬なのだが、すまない。時間がないんだ。詳しいことはこの紙に書いてある。しかし見返りがないのも問題だな。よし、たまに困っている人の案件を依頼するから」

どこまでが本気なのか。そして話が飛びすぎだろ。わかるように説明してもろて。あと、このお方は何者。

「あの...」

「ほんとごめんね?いつかまたお話しよう。この軽トラも君にやる」

渡された紙袋、最新機種のスマートフォン、車の鍵、家の鍵??金の匂いがするぞ。主に封筒から。

あ、柊さん逃げた。ドアも閉めないまま慌ててんなあ。小さいカバンひとつだけど大丈夫だろうか。車なくてどうやって帰るの。おつかれ。

「......」

あのー、この車どうしたらいいのでしょうか。もちろん僕運転できませんよ。とりあえずラッキー!!!(現実逃避)

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