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第二章 だからツンデレって何なんだよっ!【1】

……ここは……何処だ……



俺は見知らぬ道を一人歩いている…



まわりは霧が濃くてまったく視界が効かない…



今まで何をしてたんだっけ……



そうだ…親父………



何かを思い出しかけた時、霧の向こうにぼんやりと光が見える…



俺は何故か光の方に駆けてゆく…



光の先には人影が…



あれは……まさか……母さ…



俺は一生懸命手を伸ばした……




*******************


カインはいつものベッドで目を覚ました。


(久しぶりにこんな夢みた…)


カインは口元に手を当てたまま、眉間に皺を寄せている。



「カイン、それ癖だよね〜♪」

「うわっ…!!」


いつの間にかベッドの脇にはイデスが居て、両手で頬杖をしながら此方を見つめていた。


「イ、イデス…お前…いつから居た!」

「え〜?んとねぇ、カイン君が泣きながら寝てた時からかなぁ〜」

「なっ……!誰が泣くかっ!」


カインは、真っ赤になりながら、イデスに食ってかかった。


「大体、なんでお前がここに……って!おい、今、夜じゃないだろ?!」


そうなのだ、今は夜じゃない。その位は寝ぼけてたってわかる。なのに、イデスはちゃんとヒト型で俺と会話をしているから驚いた。


イデスはにこにこしながら、カインの予想通りの表情を見て、満足そうにしている。


「ふふん!今日は年に一度の“昼じゃない日”だからねっ」


カインは、はぁ?と叫ぶと、頭を抱えてしまった。

頭の中はクエスチョンマークで一杯だ。

ようやくこの世界の理に慣れて来たと思っていたのに、どうやらまだまだ道のりは険しいらしい。


イデスによると、アイシスでは国王が絶対的な力を持っていて、国王が決めた決まり事には季節、時間、天候でさえも左右されてしまうという。


「だから、今日は“昼じゃない日”、つまり昼が無いんだよ。ずっと夜だから、僕もこの姿のままいられるのさ」


イデスは、とりあえず外に出ればわかると言って、無理矢理カインをベッドから引き摺り出した。


「わかった!わかったから、一旦着替えさせろ」

「じゃあ、着替え手伝ってあげよっか?」

「……っ、いるか!」


いちいち可愛い顔で意地の悪い事を言ってくるイデスに、カインは心臓が幾つあっても足りないな、と思った。


そんな事を知ってか知らずか、イデスは


「じゃ、部屋の外でまってるから、早く来てね」


とあっさり、部屋を出て行ったのだった。

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