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74:姉ちゃんから聞かされた話は……

ヒュルト視点です。

すみません少しおくれました。

姉ちゃんがハルトとルーク2人に会って来たと教えてもらい「王命でルークとの婚約が結ばれる事が内定したわ。そのうち通達されると思う」と告げた。


「本当にいいのか?」


姉ちゃんは本当にそれで幸せになれるのか?


その言葉は呑み込む。俺が姉ちゃんの意思を否定するわけにはいかない。


「もちろんよ。私はルークのことを薄々気付きながら放置していたから最後まで側にいるって決めたのよ。残念ながらルークに恋愛感情を私は持ってない。でもユウちゃんが言ったように私とルークには時間がない。だから王命にしてもらえるようにハルトに話してきたわ」


「ルークのことを薄々気付きながら放置って……」


「あら。ユウちゃんも気付いてなかったの」


姉ちゃんは目を瞬かせて話し出した。


「ルークはね。おそらく公私の別なく第二王子として生きていた。私と出会ってようやくバイスルークという部分が……個人としての部分が生まれたと私は推測するわ。まぁこれが私の単なる自惚れだったら笑えるけれど多分推測が合っているはず。そして私と出会った事で自我が芽生えたバイスルークと第二王子としてのバイスルークに。でもねこの前のピクニックで気付いたの」


「なに、を」


「ルークは私が居なくなったら廃人になってしまいそうだ、ということに」


俺は姉ちゃんの話を聞いてようやく姉ちゃんがルークを見ていたのはルークの心が壊れないように注意していたことに気づいた。それをハルトもマリアンヌ様もニーナもきっとルークでさえ姉ちゃんがルークを好きだと思ったに違いない。

俺は姉ちゃんの幸せを願っているくせにそんなことも気付いていなかった。阿呆だ。だけどそれを話してくれない姉ちゃんはもっと阿呆だ。なんで話してくれなかった。


「なんで話してくれなかったんだよ」


「話したらユウちゃんの事だから自分を責めるでしょう。そして何がなんでも私とルークの婚約を阻止したはず。でも今はそんな場合じゃない。そんなワガママは許されない事を教えてくれたのもユウちゃんでしょう?」


俺は黙り込む。姉ちゃんの話は正しい。俺は結局姉ちゃんの幸せじゃなくて何が今の状況のベストなのかを考えて押し付けただけ。姉ちゃんは俺のその話を理解すると同時に俺の心の底にあった現状の打開策だという喜びに気付いていたのだろう。


「姉ちゃん……」


「ほらほらそんな顔しないの。結果的にこうなった。ただそれだけよ」


俺は黙って頷いた。……一体姉ちゃんの幸せってなんだろう。

明日はまだ考えていません。


友人から婚約者の〜

前世は夫が今世は婚約者が〜

の2作がランキング入りをしていたのでお礼を込めて執筆してます。よろしくお願いします。

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